第77話 恋の話 二十

 その後も、僕たちは水族館めぐりを楽しんだ。

 「これ―、クラゲですよね?」

「そうですね…。」

 それはその水族館の期間限定の催し物に訪れた時のこと。

 また、その水族館の入り口、さらには水族館に行く前にも新聞広告などでその催し物は大々的に宣伝されていたので、僕も平沢さんもぜひ訪れたいと言っていたのだが…。

 「きれい、です―。

 私、今までこんなの見たことありません。」

「僕もそう思います…。」

 そこには一面にクラゲがいた。ちょうどアーケード状になった所に僕たちは入る形になり、床以外の所の360度、右も左も上にもクラゲが泳いでいる。

 そしてそこは適度に照明が落とされており、詳しいことまでは分からないが見た所色々な種類のクラゲがのびのびと水の中を進んでいた。

 「これって…、まるで宇宙空間のようです。」

「―確かに。」

 そのクラゲの空間を見る平沢さんの表情は、「興味津々」といったものであった。

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