雑踏


わたしに

後ろから声を掛ける者がいた

その声が

聞こえないふりをして

わたしは歩き続けた

何人ぐらい

追い抜いたのか?

わからない

でもわたしは

まだ空っぽのままだった

そのまま交差点へと突入してしまった

忘れ物を

忘れたまま

その場所が

どうしても思い出せない

わたしは

これから

どうしよう

何処へ

行きたいの?

立ち止まると同時に

背後から再び声が聞こえた

振り返ると

ソース焼きそばがそこにいた


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