木端微塵に吹き飛んだ


木端微塵に吹き飛んだ

それがこの詩の題名だった

詩にも題名があるのだ

きみだってただの人間じゃないだろ

名前がある

芋助とか

木端微塵に吹き飛んだ

何が木端微塵に吹き飛んだのか

それを説明しようかそれともやめようか

どっちでもいいな

説明するか

暇だし

正直、肺呼吸以外やることがない

あれ

が木端微塵に吹き飛んだんだ

あれに決まっているだろ

あれと吹き飛ぶ

それは非常に仲が良い

何かが吹き飛ぶとき

それは必ずと言っていいほどあれを巻き込んでいる

相思相愛状態

そしてあれが四方八方に散らばって

未然に防ごうと思っていた連中が項垂れた

誰がどう見たって手遅れ

あれが散らばっちゃいましたてへっ

その一部始終を見つめるおれ

あれ

もう二度と修復不能ってくらいに弾け飛んで

元に戻すことは不可能

らしい

だとしたら

どうしておれたちまだこの世界で肺呼吸なんかしているのだろう?


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