さよなら、眼鏡


わたしの眼鏡が

破壊されていた

それを眺めているわたしは

無表情だった

かつてはそれは

わたしの眼鏡として実に様々な場面で活躍していた

着脱可能なそれ

今はわたしから離れ

まるで一切の関係が無いように

破壊されていた

暴力

その被害者だった

「………大丈夫ですか?」

わたしはわたしの眼鏡に話し掛けてみた

眼鏡は言った

「これが大丈夫なように見えますか?」

わたしはメロンパンを食べていた

ふかふかしてかなりうまいと舌が感知している


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