空っぽの箱


空っぽの箱の中に

酸素がいっぱい入っていた

「うわあ」

おれは大興奮した

「やったあ酸素じゃあん」

って

ぱっと見そこには何も入っていないように見えた

けど実際にはわたしたち人類にとって最も大切なものがそこに詰まっていたのだった

………まあ、箱の外にもいっぱいあったが

おれは虚しかった

虚しくない奴なんてこの世界にいるのか?

ーーーーそこで詩集を閉じた

チワワが一匹、吠えまくっていたからだ

「うるせえなあ!」

おれは窓から植木鉢を落としてそれは吸い込まれるようにしてチワワの頭に直撃した

まさか本当に当たるとは思わなかったのでそうしたのだが

当たってしまった

チワワの脳がかなり出ていた

「露出しすぎだろ」

おれはかなりひいた

殺すつもりは無かっただからおれはそんなに悪くない

そういったことを裁判では主張していこう

そう思った

だが裁判は行われなかった

チワワぐらい死んだってどうでも良いというわけだ

過去はけして変えられない

だからこれからは前だけを向いて歩いて行こうとおれは誓った


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る