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朝日が昇り
うちの近所の寿司屋が潰れた
近所でもまずいと評判の店だった
納得がいかないと言う者もいた
「どうしてあんな店が今まで経営されていたんだ?」
潰れるのが遅すぎると怒っているのだ
わたしも同意だ
店主が米国のベースボール中継を観ながら握るので有名だった
イチローが打つと寿司が崩れる
イチローが打たないと寿司が崩れる
わたしも一度、そこで食べたことがある
確かにまずかった
特にタコさんの歯応えが凄くって店を出て歩き始めてもまだ噛んでいたのを記憶している
「これは………ゴムですか?」
店内に戻って大将に詰め寄った
「ゴムだって? 唖然とするね」
だが肯定も否定もしなかった
寿司屋のあとには一体、何が出来るのだろう?
人々の興味関心は既にそこへ移っていた
期待に胸を膨らませる今日この頃
大型重機が容赦なく寿司屋を破壊し尽くすのを見るのはとても良い気分だった
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