観覧車から


観覧車から

眺めていた景色

ずっと遠くの方の

まるでおもちゃのような街並み

視界はやがて騙されるように下降した

わたしにはどうしようもないことなのかな?

この真上から降りたくないという気持ち

それがわたしを苦しめる

きみは地上からじっと見上げていた

誰かが乗り込んで

誰かが降りた

そして誰かが乗り込んで

誰かが降りた

順番があった

観覧車は

あの日わたしのためだけに回っていた

他には誰もいなかった

確かにそう言い切れる何かを感じていた

わたしはまだ諦められなかったけど

わたしはきっともう終わったのだろう

地面に足を付いた

(こんな感触だったっけ?)

わたしは生まれて初めて今日、死にたい


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