「初恋と海」
…言葉で表しきれないほどの強い想いを、さいごに行動で示したふたりの恋人達。
暗闇の中、漂う彼らの上にかがやく無数の星。
二人の目に映る星の光は、どんな風だったんだろう…?
きっと想像もできないほど美しく瞬いて、二人の言葉にならない哀しみまで消してくれたんじゃないのかな…
そして恋人達にだけ聞こえる歌を、ずっと歌っていてくれたんじゃないのかな…
そんな風に考えないと、涙が止まりません…
さいごまで、彼らが笑顔で幸せでいたことは間違いないけれど…
これから暫くは、星空を見ると泣いてしまいそうです…。
「強い思考と儚い記憶」
自分の気持ちがうまく伝わらないし、伝えられない。ただ後悔を背負って、失敗の結果を抱えて、歩く足取りはどんどん重くなって…。
ここではないどこか(未来で)…、そんな風にして深い落とし穴に落ちてしまった、主人公たち。
でも、想像するだけで震えるような、その真っ暗な場所から、助け出しに来てくれた少年がいて。
そんな奇跡みたいな助けがきたのは、やっぱりお互いへのキセキみたいな深い愛情のせいかな…。そう思えるほど、二人の気持ちは強くて。
辛いお話だけど、その絆がほんとうに羨ましくなります。
記憶は儚くても、大切なものはきっと胸の奥にいつまでも残っていて。
そして、物語の最後…、彼が歌い彼が聴く、そのあいのうたが、読んでいる自分にも聞こえてくるような…。
そんな小さなキセキみたいなお話、ぜひ読んでみてください…。