第10話渡辺


ーー今度の敵は、どうやら「椎葉」と村風の二人で戦わないといけない相手だ


「、、、なんで、お六ちゃん、なんで」

「戦闘中にそういうのなしにしろ、来るぞ」

涙をぬぐうーー「椎葉」

二人は武器を構える


「ああああああああああああ」

高速のスピードで交わされるーー二人の武器は「遠距離特化型」だ

端的に言えば間合いに入られれば、苦労することになる


「チッ」

だが、椎葉はともかく、村風はこういう相手と何度もやりあってる


ーーー一発だ、一発を慎重に当てろ


だんーーー外れる

くそ、、、なんでだヘッドショットが狙えるいや、狙ってるのに


ーー相手の速さがこちらより上なんだ、だから

「くそ」

レベルが違いすぎるーーーだが、負ければ「多分」死ぬだろう


ーー深呼吸をする

腹にかぎづめを食らう

「ちくしょう、、、、」


一発で深手を負わせるつもりが喰らったのはこちらの方だ

しかも相手はにやりと笑っている

「冗談じゃねえか、しけた面したオッサンに負けてたまるかよ」



「待って、包囲網を完成させよう」

ーー二手に分かれる

挟み撃ちだー―だが椎葉のほうにオッサンはいく


だがーー「がらきだこのやろーー」

お尻をかすめる


ーーー息を吐く、息を吸うーーーゆっくり呼吸して当てようとするのではなく

「置く」というのを考える

当てるのではなく、当たるとこに置くそんな感じで

ーー充てる

「っしゃあ、ヘッドショット」

ーーばたりと倒れる

「あはは、あたし、何もしてないや」


名残惜しそうに見る「椎葉」

「ん、どうした」

「いや、この人も家族がいたんだよね」

ーーー私の家族はあんなだったけど

それでもこの人は家族がいたんだよねーーー何か泣きたい分でいっぱいだ

なんでだろ、涙が止まることはない

なんでだろ、ほんと、迷惑してるのに、なんで、なんで

「、、、なんで、とまってくれないの?」

「なんで止まらないの」

グすぐ数えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ

止まらない、泣き止むことはない――雨は降り続ける

木の住むまで、気のすむまでずっとーーーずっーーーーーーっと

雨は降り続けるのだ


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