俺の妹がかわいすぎて将来がすごく心配なんだ

第1話 俺の妹がかわいい

　俺の妹が可愛い。

　すごくかわいい。

　とっても可愛い。

　原稿用紙百枚にどんだけ可愛いか書きなぐっても足りないくらいだけど、母ちゃんに紙の無駄遣いだって怒られた後に引かれるからそれは自重する。

　でもとにかく可愛い。

　そんな可愛い俺の妹は、朝山和沙って言うんだ。

　俺の一つ下になる年齢の妹なんだ。

　毎日おにーたんおにーたんって言って、とにかくもう可愛いんだ。

　そんな妹の宇宙一のかわいさは、俺だけが分かっていればいい。

　朝山和沙の理解者は、世界で一人だけでいいんだ。

　っていうのは言い過ぎだけど。

　でもやっぱり、他の余計な虫がくっつくとそう思っちゃうんだおな。

　なんせほら、俺の妹かわいいから。

　変な虫にたぶらかされたり、余計な事吹き込まれたりして、非行に走ったりいたらどうしよう。

　ふしだらな関係に発展してしまったら？

　もしも、非行を繰り返す不良少女になってしまったら？

　いやだ！

　俺の妹がそんな事になるくらいなら。

　俺はっ。

　俺はっ。

　和沙に近づく男を一匹残らず排除してやるぅ！

「母さんいってきまーす」

「ちょっと和希、あんた小学校に行くんでしょ。どっち行こうとしてんの。あと何物騒なもの持ってんの」

　あ、ばれちまった。

　てへっ。