周りの視線が痛かったです。
ノアとの決闘から一週間、あと学園に入学してから一週間。
まさか初日から決闘なんて、異世界イベントの一つを堪能した俺だったが...
周りの俺を見る目が初日に比べて、明らかに変化しいていた。
まず俺の事を恐れてる生徒達、あれだけ派手な魔法を放った結果、俺を見るたびに「ヒェ」とか軽く悲鳴を上げる生徒もいる、ルリ達から聞いた話では、俺とすれ違った生徒の一人は立ったまま気絶したとか、してないとか。
次に俺の事を尊敬してるらしい生徒達、理由はいくつかあるが貴族相手に土下座させたことが尊敬に値するらしい、あれはルリ達が不快に思う発言をしたノアが悪いが、まぁ一般人は貴族には逆らえないのだと思う。だから貴族でもない俺がノアを土下座させたのは、ある意味尊敬される理由なんだろう。
先生達は俺のことを要注意人物としてるらしい、これはバッカス先生が言っていたが、上の学年を持ってる先生はかなり俺を警戒してるらしい、警戒してる理由は不明。
そして最後に明らかに変わってしまった生徒が一人
あの日以降は誰かに絡まれることなく教室まで四人で登校できている、だが教室の扉を開けた瞬間奴は俺の前まで来て頭を下げる、誰であろうか、ノアである。
「おはよう、シオン君、それとおはようルリさん達」
「おう、おはよう」
「ノアさんおはよう」
「てかノアあの日から言ってるけど、別にわざわざ俺のところまで来て挨拶しなくて良いよ」
「いやいや、敬う人間にはしっかり頭を下げるべきだと思っているからね、それにあの時はあれだけ無礼な事をしたどれだけ頭を下げても気が晴れないよ」
「まぁ、俺はもう気にしてないけどな」
なんと言うか、もう悲しい貴族様である、まさかコテンパンにされたら心を入れ替えるなんて誰が予想できたか、まぁ良いほうに変わってくれたからよかったけど、これで復讐とか考えてたらその時は今度こそ消さなきゃならないし。
急にノアの態度が変わったのは決闘の次の日で、朝教室で目があった瞬間俺のところまで来て頭を下げた、この変わりようにはクラスの全員が驚いていた。
その日完全鑑定で見たノアのステータスがとても面白かった。
鑑定結果
名前 ノア
王都サブメラの貴族
状態以上 シオンに服従
明らかにおかしい、まず状態以上で服従ってのがおかしいし、そもそも何で俺に服従なんだよ。
初日はかなり困惑したが、一週間も経つとさすがになれた。
ノアを軽くあしらい自分の席につく、いつも授業の始まるギリギリに来るので俺達が来た時にはすでにクラスのメンバーは全員揃っている。なぜかノア以外の奴は俺を見るたびに哀れんだ視線を送ってくるから腹が立つ。
「今日も、朝から挨拶されたね、さすが慣れたけど、やっぱ貴族様が頭を下げるのはどうかと、私は思う」
「まぁ、奴がそうしたいなら、俺は気にしないが、ルリがいやならやめさせるよ、どうする?」
「ううん、気にしないから良いよ」
気にしないとは言ってるが、どこか申し訳けなさそうにするルリ。
うん、もしノアがあれ以上困らせるような事をしたら、止めてやろう。
少しルリと話してると先生達が来て授業が始まる。
基本的には午前中は魔法についての話や魔物との戦い方を教室で教わる。
基本的な知識は知っているが、やはり現役冒険者フォルテさんの話は少し重みが違ってると感じる事もある。
そして昼休憩で昼食をとって少し休んだら訓練場で実習になる。
この学園いくつか訓練場があって1年Sクラスの訓練場はこの前ノアと決闘したところである。決闘の後知ったのだが、この訓練場は校内にいくつかある、
ちなみに俺は実習で魔法を使う時は、全力を出すのを禁じられた。始めは俺だけ制限されて不満に思ってが、うちの妹もやらかし全力を出すのを禁止された。
初めての実習の日に実力を調べるため、各自得意な魔法を的に放ち威力を先生達が計測してた。やはりSクラスだけあってみんなそれなりに威力は高かったのだが、その中でシャロはずば抜けていたと言っても過言でもない、シャロが使った魔法は爆発魔法で、帝王級の〈ファイナルエクスプロージョン〉だった。
放った瞬間、的があった場所は見事にクレーターとなっている。
それを見たクラスのみんな、先生を含めて唖然状態、ルリですら驚きの余り口をポカンと開けていた。
その状況でキャロは
「これが私のキャロちゃんだ!」
となぜか自分のようにドヤ顔でえばっていた。
そんな感じにシャロも制限をくらってしまったのだ、その後シャロが俺に近づいてきて
「えへへ、これで私も兄さんと一緒だね~」
はにかみながら、俺に言ってきた、俺の妹は最高にかわいいです。
実習が終ればその日の学園は終了になる。
そして今日も実習が終わり、帰りの仕度をしている頃フォルテ先生が来た。
「シオン君ちょっといいかな、この後時間空いてる?」
「えぇ、この後予定はないですが何かありましたか?」
「ちょっと、学園長が呼んでるから、学園長室に行ってきて欲しいの、大丈夫お叱りとかじゃない...と思うから」
「ちょっと、何で確信がないんですか!、何もしてないですよ、まぁ予定もないんで行きますけど、わざわざ教えていただきありがとうございます。てことでルリたちは先帰ってて」
なんで学園長が怒って可能性があるんだ!怒られるような事は身に覚えがないんだが...
「私達も予定はないし待ってようか?」
「いいよ、もしかしたら時間もかかるかもしれないし」
ルリが待っててくれると言ったが、何があるかわからないから先に帰ってもらう事にした。
「わかった、シオンも気をつけてね」
「シオンにぃ、またお家でね」
「また後でね~」
そう言って先に三人は帰った。これから学園長とお話か、気が重くなる。
すぐに帰りたかったので、三人を見送った後学園長室に直行した。
扉をノックして挨拶をする。
「失礼します、Sクラス1年シオンです」
少しして部屋の中から「入りたまえ」と声がした。
「待っていたよ、シオン君中に入り椅子に座りたまえ、少しお話をしようか」
部屋の中で学園長と赤髪の男性が俺を待ち構えていた。
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