2085年10月15日

今日は2085年10月15日。



最後に日記が書かれてから、

すでに3日間の空白がある。


その間日記は書かれてない。



記憶の無い私としては憶測するしかない。



火星熱とか言うのは治っているようだ。


少し体がだるいが熱は引いている。


火星熱で寝込んでいたと言うのが、

一番可能性は高いだろう。


お腹が異常に空いている。


体重を測定。


現在39㎏


痩せてるようには見えないが体は正直なようだ。



私は見落としがないかメモを見直して、

ある重大な見落としに気がついた。


火星の滞在可能日数1ヶ月。


これは少なすぎる。


火星がテラフォーミングされて、

移住が始まったのは私が13歳の頃。


私の記憶は16歳まであるから、

この事実は知っている。


問題は地球から火星まで来るのにかかる日数。


これは私の記憶では約2月ちょっとかかるのだ。


私の記憶がなくなっている間に科学が発達し、

その速度が多少速まったとしても、

ビザの1ヶ月では少なすぎる。


かりに私が記憶を失くしている間に、

1月で到着するまで科学が発展していても、

旅行には往復の時間がかかる。


帰る時間もかかる事を考慮すると、

約2ヶ月。


ビザの1ヶ月ではとても足りない。


となるとこのビザの存在事態が謎になる。


偽のビザで、

私の記憶を改竄しようとしている謎の組織。


そんなバカな。


疑念は消えない。


なぜ私は火星にいるのか?


その疑問を解決する方法。


所持品に携帯があった事を思いだし、

それで検索して調べようと思い付く。


だが携帯の充電は切れていた。


何故か充電器は見当たらない。


私はフロントで近くの携帯ショップをたずね、

充電器を買いに行く。


その時フロントで、酸素ボンベをレンタル。


そこで所持金が3万2000レアルまで、

少なくなっている事に気がつく。


私が記録をやめていた空白の3日間に、

相当お金を使ったようだ。


記憶が無いとはいえ、

他人に使われたみたいで気分が悪い。




─4─

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