解答編3

 C. 自衛と殲滅


 遺伝子改造チョウザメの持つ「人間の10歳児程度の知能」と言うのは、個体差はあるものの「思ったよりは頭が良いが、思ったよりは頭が悪い」という程度です。中には10歳で大学を卒業するポテンシャルを持つチョウザメも存在しますが、それは適切な教育を受けられる環境にあればの話で、高等教育の前提となる知識の蓄積には言語の発展及び文字の発明が求められ、本来これには、何度かの世代交代が行われる程の時間が必要です。

 しかし、チョウザメの知能と凶暴性を甘く見た一部の人類が、官憲に隠れて安易な考えでチョウザメに教育を施し、一足飛びで文化を発展させたチョウザメ達が独自の兵器開発を成し遂げ、また魚類や海獣類の調教によって軍勢と言える規模を備えた上での武装蜂起を行うことになりますので、対話や捕獲などと平和ボケしたことを言っている暇はありません。

 人類は種の存亡を懸け、自衛及び最後の一匹までの殲滅を行わねばなりません。

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