幼馴染が僕の命を狙ってます、慣れました

文屋旅人

第1話 幼馴染は物騒です

 意味もなく命を狙われる、それはとてもストレスになる……はずだ。

「覚悟!」

 今日も首筋にナイフが迫る。

「せいっ!」

 それを弾き飛ばす。

 ナイフを首につきつけようとしたのは、幼馴染の向島こより。

「くっ……今日もまた腕を上げたな、シンジ! おはよう!」

「いや、普通に挨拶しようよ……」

 彼女はいつも僕の命を狙っている。

 それを僕は防いで、彼女と登校するのが日課だ。

「断る! んじゃ、行こうか」

 ナイフをぽいと人の家のごみ箱に捨てて促す。いつも思うんだけど、こよりはなんで家の中で僕を殺そうとするんだろうか?

 まぁ、いいけど。

「そうだね、行こうか」

 いつも通りの朝。僕とこよりの、少し物騒な朝だ。



          続く

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