『勇者』魔王と結婚した。
Φ
第1話
勇者は叫びながら魔王のもとに走る。手には師匠から譲り受けた「無敵の剣」を携えて必殺技を繰り出した。魔王は寸前のところで避けられるが、仮面が真っ二つに割れてしまいその正体に勇者は息を呑んだ。
長年の相手が美少女と知り、勇者は剣を離した。一方的な魔王の攻撃でも、反撃や防御も取らないでいると、魔王はすべての魔力を結集した最大級の魔法を勇者にぶつけた。
衝撃の凄まじさは壁に巨大な窪みが出来るほどの破壊力さへも、まだ一命は取り留める。抵抗しないことをいいことに、魔王の過激な攻撃に、勇者は倒れ込む。
天井に揺らぐシャンデリアを視界にとらえ魔王はその綺麗な指で、勇者の首を締める準備は完了する。魔王は、反撃しないと死ぬ事を伝えた。だが勇者が発した言葉に、魔王の頬は紅潮に染まる。
そこに足止めをしていた勇者パーティの仲間が駆けつけ来て、勇者の言葉は単なる時間稼ぎに過ぎない事を知った魔王は、一瞬でも弄ばれた事に怒りの増は膨み勇者の首を締め出す。
勇者の危険度MAXなのに「手出しするな」。勇者の言葉を尊重したいが、仲間が目の前で首を絞められているのにほっとけるほど馬鹿じゃないので加勢に入る。
仲間のおかげで魔王は勇者から遠ざけることに成功し、あと数秒遅れていたら天国行き確定を阻止する。仲間は魔王を倒す気でいるが、勇者は違った。その眼に映るモノを守るための輝きを見せた。
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