霊感が強いらしい

山葡萄

第1話 お正月明けに神社へお参り

 家族3人で神社へお参りに行った。

 そこは、始めて行く神社で神社の中へ入ってお祓いをしてもらった。

 神主さんが見えて、他の男性と合同のお祓いが始まった。

 そこの神社はご先祖様を神殿に呼び出す形式をとっていた。

 子供が騒ぐので席を立って後ろであやそうとすると「どうぞ、騒いだままにしてください。」といわれたので、そのままにしてお祓いは続行された。

 中盤になって一人づつ呼ばれ神殿の前で神主さんから榊を受け取り、時計回りに回して神殿に供え二礼二拍手一礼をする。

 私と子供が呼ばれると、神主さんから「ご先祖様が集まって来ています。あと、子供さんは霊が見えます。3歳ころまでは、見えると思うから伸び伸び育ててあげて欲しい。」

 そのように言われた。とても意外だった。私としては近所の神社へお正月にお参りという簡単な気持ちだっただけにこんな展開になるとは予想もしなかった。

 お祓いが終わってわかったことは、神主さんが見える方だということ。また、龍神さまを奉る神社であること。勿論天照大御神さまも奉っている。

 その後、相談も受付できるとのことで、夫の体調が優れず相談することになった。

 社務所にて相談は行われたが、神主さんの他に女性の着物を着た人も参加した。

 「10年くらい前から体調が優れなくて、病院へ行って薬を飲み続けています…」

 夫の相談に女性の方が、「旦那さんに4人の霊が憑依しています。体調が優れないのはそのせいです。他人3人、先祖が1人憑依しています。」

 とても衝撃的な言葉に、絶句していると、神主さんが「病院へ行っても治らないですよ。」と続けた。

 話している間も、夫は目つきや顔つきがくるくると変わっているらしく、憑依した霊たちが現れているらしい。

 私が「さっき厄祓い私の分も頼んでねと事前にお願いしていたのに、受付を済ませた夫に聞いたら自分の分しか書いてなかったんですよ」と聞くと、「聞いてるひとと書いているひとが違いますからね。」と言われ今までの辻褄が合わない理由がはっきりした。

 「私はどうですか?」

 思わず聞いてみると、「貴方は先祖が一人憑いていますが、先祖が憑くのはよくあることなので正常です。」

 話では、私は霊感が強い方らしく、夫の方はお祓いしても自身が浮遊霊を寄せてしまうためまた憑かれてしまうらしい。強くならないと、将来子供が憑いたりしてしまうと言われた。

 私は霊が見えないが、霊感が強いため夫の浮遊霊の影響は受けていないらしい。

 これには、自分も寝耳に水で、驚いて神社を後にした。

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