縁というものをしみじみと考える
人生は不思議なものだなぁと思う。
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それなりに人生の年月を生きてきて、出会いも別れも経験してきたけど、今改めて縁について考えている。
*
これはもう10年近く前になるけど、妖精フィギュアをネット購入したことがあった。
それはハートを胸に抱いた妖精で、その頃、結構沢山あった”天使と妖精”の雑貨を取り扱うお店で偶然見つけて一目惚れしたものだ。
その妖精は数日後にウチにやって来た。
梱包はきちんとしてあったのだけど、どこかで変な力がかかるかしたのだろうか、羽が根元からポッキリと折れていた。
ショックだったけど、綺麗にポキリと折れていたのでボンドでつければ、ほとんど目立たなくなる感じだった。
交換も考えなかったわけではないけど、それは何だか寂しいなぁと思った。
縁あって、ウチに来てくれたのに、羽が折れていたからといってサヨナラしてしまうのは、何だか怪我をした妖精を手当もせず、放り出すようで嫌だった。
どこかが壊れていたら、それで不良品になって交換してもらって終わり。
姿の同じ、羽も折れていない妖精が新しくやって来るだろう。
でも、そうしたら、この妖精はどうなるのだろう?
処分されてしまうのだろうか。
モノとしては、そういうものなのかもしれない。
でもそんな簡単にしてしまいたくないと、その時のわたしは思った。
妖精という姿をしていたから、余計にそう思ったのかもしれない。
ボンドで折れていた羽はピッタリとくっつけることができた。
跡も余程見ない限り、わかりはしない。
わたしは嬉しくなった。
手当をして治した分だけ、余計に愛おしくなった気がした。
ウチに来てくれてありがとう、と思った。
*
色々な縁がある。人と人だけでなく人と物の縁もある。
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『袖すりあうも他生の縁』という。
『一期一会』ということわざが好きだ。
少し何かが違っていたら出会うことのなかっただろう人達やモノ達との縁の温もりを思う。
わたし達は生きていく中で、色々な縁を結ぶ。
中には哀しく
***
人は
ならばこそ、奇跡のように出会ったことに感謝しながら生きていきたいと思うのだ。
そうできたらいいなと思うのだ。
切り捨てるのではなくて、繋いでいくことが出来ればと願わずにはいられない。
簡単にいかないことも知っているけれど。
だからこそ、どうかせめて……と。
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