朝の日課 ① (起床困難)

 私は、小学生のころから寝起きが悪かった。



 朝の始まりは必ず毎日、母の怒鳴り声から始まる⋯⋯。




 「咲希!! いい加減起きなさいっ!! 何回起こされれば気が済むの!!」




 業を煮やした母が、布団を剥ぎ取り無理やり起こしにかかる。


 私は、意識が朦朧とするなか体だけ起こしそのまま座り込みながらぼ~~っとしている。



 20分程そうしているだろうか⋯⋯。



 私は当時、母がなぜ毎朝怒っているのか解らなかった。


 私のなかでは、一度しか起こされた覚えはない。


 よくよく聞くと母は毎日何度も起こし、その度に毎回私は返事をしているらしい⋯⋯。



 ただ⋯⋯まったく記憶にないが⋯⋯



 学生時代(小・中・高)の間、私の朝の始まり方は変わらない。



 『怒鳴られ』→『ぼ~~っと』→『怒鳴られ』→『ふらふら~~』→『怒鳴られ』→『あわてて出かける』



 このサイクルが変わることはなかった。



 毎日ギリギリに家を出ると、小・中と学校までダッシュ!!


 高校に上がると自転車で駅までダッシュ!!


 社会人になった今でもそれは変わる事はない。



 駅に着き電車に乗り込むと、そのまま手すりにもたれ掛かかって立ったまま寝てしまう。



 これが、私の日課になっていた。





 睡魔との戦いは今からおよそ12年前。


 私が高校生の時だった。







 高校1年生(16歳)


 某高等学校に入学する。


 中学校から引き続き、ソフトテニス部に入部。


 中学校時代と同様、ここでも高校2年から部長になる。



 高校一年のこの頃、朝の日課(?)は相変わらず変わることはなかったが、授業中知らぬ間に寝てしまう事はなく、放課(休み時間)もみんなとしゃべり倒し体育では大暴れ!!

そのまま部活(ソフトテニス部)に行きヘロヘロになって帰る。



 帰りの電車では疲れて熟睡。


⋯⋯。



 まぁ、いたって普通の高校生だったと思う。




 異変は、翌々年





 高校3年生(18歳)



 このあたりから⋯⋯⋯⋯。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る