第33話 第三章 知りたいとは思いませんか、文明がどこから来たのか。(14)

 このペースで、わたしの魅力にずっぷり浸らせちゃおう!

 ・・・ということだから、次の料理はさらに重要だわ。

 ま、パラパラめくったけれど、この程度のチラ見でもだいたい分かったかも。

 次に冷蔵庫を覗き込んでみると、そうね・・・パスタで行こうか。

「さっそく作ってみるから、ハチはリビングで待っててね」

 さっそく調理に取り掛かる。

 ふふふ・・・ハチったら、女の子オーラに当てられまくって、ぼーっとしてる。

 さてそれでは麺を茹でて・・・バターとタマゴ・・・ソース作って・・・あとお野菜か・・・。

 そんな感じで進めると、しばらくしてわりとアッサリ出来た。

「お・ま・た・せ」

 皿に盛り付けたカルボナーラとサラダを運ぶ。

「初めて作ったから・・・どうかな? 冷めないうちに食べて食べて」

 ちゃんとソースは手作りだよん。

 ふふふ。

 目の前に並べられたパスタからは、お手製クリームソースの猛烈ないい匂いがするじゃないの。

 あれ? ハチが震えてる・・・リアルに。

「どしたの?」

「いや、女の子の手作り料理なんてなぁ・・・感動しているんだよ」

 なるほど、そうかー。

 しかもこんな美少女からの手作り料理なんて、男子は感動するよね!

「ねえ、自分で言うのもなんだけど、けっこう美味しくない? これ?」

 フォークで巻いたカルボナーラを頬張ってみると、自画自賛したくなる。

 傍から見れば、カップルが仲良く食事を囲んでいる光景そのまんまよね?

 これでハチの好感度は大幅アップ、だと思うんだけどな。

 ◇◇

 俺はうれしいやら感動やらで、正直味がよく分からなくなっているかもしれない。

 しかし、洗濯といい料理といい、これではまるで・・・そう、まるで『嫁』ではないか!

 ヴィオラと出会ってからの感動は、人生二十年で感動した総回数を簡単に凌駕した。

 いやあ、かわいい女の子って、ホントに偉大な存在だ。

 だが、いっぽう真面目なハナシ、ちょっと気付いたことがある。

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