襲来する脅威

幕間 設定公開・漆師葉都

 月に一度の令和ダンジョン設定公開。

 今回は仙台フォレストリーフ・ウィザーズギルドの高校生エース、漆師葉都です。自分で設定しておいて言うのもなんですが、能力が好きなので再登場させたい。


 相変わらず本編にはあまり関係ないので、読み物としてお楽しみください。



 17歳女性

 現在は甲の6位です。


 本名は斉木陽子で、漆葉都都は魔討士としての通り名というか芸名です。

 野良ダンジョンで戦った後にギルドの社長である伊達と初めて出会った時に思い付きで名乗った名前が魔討士としての活動名になりました。


 身長165センチほど。

 お嬢様風に巻いた髪型の長い金髪がトレードマークでかなり目立ちます。

 当然校則違反なのですが、魔討士としての実績で黙認されています。


 容姿的にはどちらかというと地味な方ですが、自信を持った振舞と化粧、鍛えたスタイルの良さでその辺を補っています。

 漫画などのお嬢様風のような芝居がかったしゃべり方をしますが、これは魔討士の立場であるときのキャラづくりで、それ以外では話し方は普通です。



 昔から人付き合いが苦手で引っ込み思案の消極的な性格でした。

 それが災いし勉強も運動も苦手でした。


 九州から仙台に引っ越すと同時に心機一転、自分を誰も知らない環境で自分を変えようとしたものの失敗。

 悩んでいたところで高校に野良ダンジョンが出現し、その時にマリーチカと出会い能力に目覚めました。


 その高校に野良ダンジョンの討伐に来た伊達に勧誘を受けて魔討士としての活動を始めました。

 その後は伊達の会社である仙台フォレストリーフ・ウィザーズギルドに所属しています。


 魔討士として活動を始めてから1年足らずですが、能力の高さや積極的に討伐に関わることもあり、順調にランクを上げています。

 周囲からの信頼や討伐実績が自信となりポジティブな性格になりました。


 ギルドのエース格になってからは、ギルドの隊服(モスグリーンのフード付きコート)を、自分だけ軍服を模したようなデザインの黒のミニスカワンピースにニーソックス、ロングコートというスタイルにしています。


 エースだから隊服も特別よ、という意味もありますが、エースなんだからその分活躍する、という決意の表れでもあります。


 両親は、すっかり豹変した娘に若干の不安を持ちつつも、ポジティブで明るくなったことは喜んでいます。



 今の、皆に頼られ褒められチヤホヤされるエースという立場が好きな半面、昔の自分へのコンプレックスを根強く持っています。

 仙台編ではそれを調べられて暴露されかけたのですが、そこを片岡に救われました。


 ちなみに彼女の過去を調べて暴露しようとした北林たちですが、所属大学を解雇された後に魔討士協会から再就職先を斡旋されています。


 ただし、もし漆師葉の暴露した場合はあらゆる手段を使って社会的に抹殺する、とかなり強めに圧力を掛けられています。

 魔討士協会も色々な意味で善良なだけの組織ではありません。



 能力は黒いサーベル、マリーチカを作り出すというものです。

 薔薇をモチーフにした柄飾りの黒い刀身のサーベルで、片岡の鎮定や宗片の一刀斎のような名前を持つ武器です。


 マリーチカの能力は影を操るというものです。 

 影を伸ばして斬撃のように使うのが主ですが、これは物理攻撃ではなく命中した場所を影に取り込んで切断しています。

 このため硬い鱗なども切り裂く事が出来ます。


 自分の影だけではなく周囲の影から斬撃を伸ばすこともできます。

 壁とか床を伝って影を伸ばして攻撃することも出来るので射線の制約が少なく、遮蔽の向こうを攻撃することもできます。


 一方で影からの斬撃はあまり遠くまでは伸ばせません。

 このため空中を高く浮いているような敵には攻撃が届かないことがあります。

 

 また、片岡の風のように壁を滞留させたりはできません。

 防御には難がある攻撃型の能力です。

 

 ちなみに、影に潜って移動したり、影に干渉して相手の動きを封じるような能力もあります。

 ただし経験不足などもあり、この辺の能力はまだ使いこなしているとは言えない段階ですが。


 また運動神経自体はあまり良くないので影を操る能力に頼り過ぎる傾向があります。

 その割には前に出たがるためマリーチカによく怒られています。

 

◆ 


 趣味は皆で遊ぶこととオシャレをすること、活躍して褒められる事。


 容姿や魔討士としての活躍も相まって仙台では人気者です。

 口癖は「女の子は強く、かわいく、格好よく」



 マリーチカは11世紀ごろの東欧の方の小規模な貴族家の娘です。

 近隣の領地でも知らぬものはいないほどの絶世の美少女でしたが、男子がいなかったため、跡継ぎの騎士として育てられました。


 18歳の時、隣国の侵略を受けて民を守るべく出陣したものの流れ矢を受けて討ち死に。

 その時の、民も兵士も守ることができなかった無念の気持ちがサーベルに宿っています。


 勇気をもって誰かのために戦うものを好んでいましたが、そういう使い手に長く巡り合えませんでした。


 年が近いのもありますが、過去を乗り越えて魔討士として人のために戦おうとする現在の使い手である漆師葉を好ましく思っています。

 このため漆師葉とはとても相性が良く、ダンジョン内でも良く対話をしています。


 漆師葉が魔討士として急成長できたのは、能力の強さもありますが、マリーチカの指導の影響も大きな要素となっています。

 漆師葉が髪を金に染めているのは彼女の影響でもあります。


 薔薇が好きで、生前は自分の屋敷の薔薇園を散歩するのが日課でした。

 漆師葉と会うときの薔薇園の空間はこのときのものです。



 微妙に見切り発車気味ですが新章を始めます。

 引き続き応援いただけると幸い。

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