第一 仁

仁とは順番を守ることである。ラーメン屋に行列があり、自分もその店で食べたいと思うなら順番を守り列に並ばねばならない。自分勝手な気持ちから列に割り込み、其の後で以下に礼すなわちお礼の儀式や智すなわち交渉を尽くしたところで順番を破った悪徳は消えることがない。店の行列のように人間相手では、礼を尽くしたり、智謀にて口八丁手八丁で相手を納得させることができるかもしれない。しかし、天を相手にすればどうであろう。もし天すなわち宇宙のあらゆる営みと物理法則を含む万理に対しては如何な礼・智・信を用いても納得させることができない。高塔を建てるには先に相応の足場を作ること。商いにおいては世の中で支持される時期を待ち、相手に利を取らせ自分の利は後にするなどが挙げられる。一方、欲は真っ先に仁をくらます。欲があると天の順序たる仁を失う。心を平静に保ち、仁こそすべてに優先すると悟らば天啓が諸君を導くであろう。

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