二十年後の君へ

ダンサーバル

第1話 残酷

人間とは愚かな存在だ…

知識を手にし、自慢や世間の為に発明する者も居れば

それを悪用し、好き勝手に周りの人間を巻き込み…破滅へ導く。


「お母さん、どうして空はこんなに暗いの?」

「神様が私達を守ってくれてるのよ」

「どうして…?」

「悪い人達が居るでしょ?」

「その人達から私達を守る為に戦ってくれてるのよ。」

「お父さんも…?」

「そうよ、だから…優しくて強い、そうなりなさい…」

「うん、頑張る!」

「ふふ、いいこね〜…」


この世界は残酷だ、抗おうとする者は一方的に虐殺され…1番上の人間の餌にされる。


「銃声、敵か…!」


本当に世界はこんな残酷なのだろうか…


「居たぞ!」

「生け捕りにしろ!」


「…ッ!!」

(ババババババババババッ!!)


「逃げなくては…!!」


「逃がすな!」

「追え!」


平和なんて想像もつかない、つくわけがない…

第三次世界大戦、自分の身は自分で守らなきゃいけない…幼い時、襲撃された、母を守りたかった…だが勇気が出なかった。


「洞窟…?」


守る者が居ない今…俺は必死に逃げている、例え救いがなくても、必ず生き延びてみせる…そう、母と誓ったからだ。


「いや違う…!」

「研究所なのか…?」

「「おえ…!!」」

「もう追ってきたのか…!!」

必死に走る。

「何処かに…何処かに隠れなくては!!」

「ここは…」

出口が分からなくなるくらいに俺は必死に走り続けた。

「なんだこれ…」

そこにはブラックホールのような者がホルマリン漬けのようにされている機械があった。

「…!」

終わった…

「もう逃がさないからな」

殺されるくらいなら…

「大人しく連行されろ、拒否するのなら射殺する。」

抵抗してやる…!!

「…!!」

「撃て!!」

(ババババババババババッ!!)

「うおりゃああああああああぁぁぁ!!」

得体の知れないボタンに触れ、そのまま俺の意識は瞬間的に消え去った。

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