第15話 魔法キャラ

夜。

窓辺から外を眺め。

ルシフは、思索を巡らせる。


学園生活は、思ったよりも遥かに楽しくなりそうだ。

ハーレムの計画も、一旦破棄しようと思う。

そんな事よりも、楽しい事が有りそう、そう思う。


レオと話し、秘跡が使える事は絶対に隠した方が良いとなった。

神聖魔法もNGらしい。

まあ、属性魔法で代用できるから良いけど。


魔術も、最悪第参階位サードまで。

属性魔法も第陸階位シクスが一般的上限、複数属性も程々に、らしい。


こんな感じだろうか?


名前:

 ルシフ

種族:

 不明

能力:

 筋力 A

 体力 A

 敏捷 A

 魔力 S

 精神 S

スキル:

 剣術 A

 地魔法 第陸階位シクス

 水魔法 第陸階位シクス

 火魔法 第陸階位シクス

 風魔法 第陸階位シクス

 魔術 第参階位サード


偽りの本気は、こんな感じで良いだろう。

典型的な魔法キャラ。

 

……明日、ルピナスにも聞いてみるかな。


--


「今日は何処に行くの?」


放課後。

Zクラスに来たリリーが、ルシフ達の輪に入って来る。

初日程驚かれない。


AクラスからZクラスは結構距離が有るのだけど。


「早いな、リリー。どうやって来たんだ?」


ホームルーム終わった直後なのだが。

Aクラスはホームルームが超高速なのだろうか?


「だって、ルシフ達が先に帰るかも知れないじゃない」


いや、理由ではなく、手段を聞いたんだが。

ルシフが内心ツッコミを入れる。


「あたいは今日はパス」


レオが言う。


「レオ、今日は練習試合ですよね。私も見に行きたいです」


スピカが嬉しそうに言う。

試合?


「レオさんと言えば、ウィザーズボールよね。今年は勢いが有るから、活躍期待してるわ」


「それはどうも、王女さん」


「ウィザーズボール?」


ルシフが小首を傾げ、


「楕円形のボールを持って、相手陣地のゴールに到達するか、投げ入れれば得点が入る、そんなゲームです。バリエーションは多いですが、一般的には、ロマニア国王主催の高等学校を対象とした大会、そのルールに合わせている筈です」


リブラの解説。

単純そうだ。


「魔法使用可、場に出る選手は各チーム上限30人、障害物は規定の位置に柱、ボールを介さない攻撃は不可、致死レベルの攻撃は反則負け……ざっとこんなところか」


レオが言う。

ボールを介せば攻撃許されるのか。


「面白そうだな。俺も見てみたい」


ルシフがそう言った。


--


賤混者ハーフ純人間ピュアは、基本的に、能力が格段に違う。

なので、純人間ピュアの部活に賤混者ハーフが混じると、問題が有ると思ったのだが。


どうも、杞憂らしい。

ルシフ達が所属するリュケイオンには、賤混者ハーフが5人参加している。


相手の高校は、7割程が賤混者ハーフだ。

リュケイオンはやっていないが、私学によっては、わざわざ外国から賤混者ハーフをスカウトして連れてくるらしい。

賤混者ハーフの人権が認められるこの国では、むしろ積極的に起用した方が、部が活躍、国中に名を売れ……そういう意図だろう。


だが、純人間ピュアの学生本人はどうなんだ?

ルシフは、目を閉じ、想う。

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