第5話 嫉妬?
翌日、学園の門へとルシフが到着。
再びリリーと合流した。
リリーは、最初会った時のドレスとは異なり、純白の鎧を身につけた騎士の姿をしている。
腰には、神力を帯びた剣。
鎧からも、強い加護を感じる。
……意外と、良い所のお嬢様なのでは?
まあ、長女とかでなければ問題は無いが。
ルシフは、そう楽観的に考えた。
「ルシフさん、貴方が所属するのは、Zクラス。
「隔離クラスか」
「ごめんなさい、規則は覆せなくて」
「いや、構わないよ。むしろ、もっと魔の力を恐れるべきだと思う。この国は、魔の者に寛容すぎるくらいだと思っているよ」
「いえ……
くすり。
ルシフは、リリーの幼さを笑う。
魔の者は、文字通り、人外の力を持つ。
平等に評価等したら……上層部は、魔の者で溢れるだろう。
利用するのは良い。
迫害しないのは結構。
だが、警戒はすべきなのだ。
「あの……ディアナ様に、途中で待って頂いています。挨拶してから、職員塔へと向かいますね」
「お待たせしているのか、それは急がないとな」
ディアナは、国の有力貴族の令嬢。
奇跡的な縁により、会う機会が訪れたが。
本来であれば、同じ学園にいようとも、一生会わなかったであろう。
そんな、尊い存在だ。
リリーと一緒であれば、門番もフリーパス。
あっさりと学園内へと足を踏み入れる。
「こちらです」
リリーに先導され、裏庭へと。
そこで畏まって立っているのは、美しい令嬢。
淡い碧のドレスに身を包み。
背丈程の錫杖を持ち。
神聖魔法を得意とするのだろうか。
「リリー様ご機嫌うるわ──ひっ、リ、リリー、お久しぶりね」
ディアナが、何故か涙目で出迎える。
俺を見て、
「ルシフさん、父から聞いています。遠方から大変だったでしょう。その──案内役を頼まれているのですが、その役目は果たせず申し訳有りません」
「初めまして、この度は学園への推薦を頂き、有り難うございました。本来なら私が出向く所、御足労頂き有り難うございます。案内は友人が買って出てくれたので、そちらに頼みます」
「友人……ですか」
ディアナが引きつった表情を浮かべる。
実はリリーって、友達いない?
「ディ・ア・ナ・様、そろそろお時間なのでは?」
「はう?!そ、そうですね。申し訳有りません!私はこれで」
ディアナが、そそくさと去って行く。
多忙なんだなあ……それでも、俺との時間を作ってくれたのだろう。
それに……めっちゃ可愛い。
身分が身分でなければ、是非手を出したかった。
「いやあ、ディアナ様、凄く可愛らしかったなあ」
「もう……ルシフさん、そういうのは私にだけ言ってくれれば良いのに」
……やきもち?
目指すのはハーレムだから、束縛系は要らないんだけどなあ。
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