【未】7.エレベーター

母親から買い出しを頼まれた帰り、

エレベーターのボタンを押し、一人たたずんでいた。


マンションの最上階に僕の家はあり、

下まで降りてくるのに時間がかかった。


チーンッ

扉が開き乗り込むと、

後からもう一人バタバタと慌てて乗り込んで来た。


ゆっくりと上昇していく。

この日はなんとなく疲れていて、

少しうつろ気味ぎみになっていた。


気がつくと最上階に辿たどり着いていたようで

目の前で扉がスーッと閉じていた。


「あっ」

思わず声をらしてしまった。

すぐにひらくボタンを押そうとしたが、

エレベーターは動き出してしまった。


まあ…もう一度上がればいいか…。

しかしこの言葉とは裏腹うらはら

エレベーターは


「え!?」

階数のランプは最上階で止まったまま。

それでも上昇し続けるエレベーター。


「キミが選ばれた子か」

一緒に乗り込んでいた人がそう言った。


チーンッ

行先不明のエレベーターの扉が開くと、

公安機動隊特捜班本部こうあんきどうたいとくそうはんほんぶ」と大きくしるされた受付が目にうつった。

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