第16話


ベリアルはすぐに魔王の体を能力で自身が支配する空間へ飛ばし力の封印を解放した。

解放されるとベリアルの体に大罪の刻印が浮かび上がった。


「第5の封印解除・クロノスカイロス・久遠エタニティ」



能力を使いベリアルは魔族界の時を操り崩壊をなんとか防いだが、範囲が広すぎ

アバドンの拘束が緩んだことに気がつかなかったが

アバドンは拘束が緩んだ瞬間を逃さなかった。



【特殊能力・アポクテイノー・滅ぼす者】

アバドンは特殊能力を発動させベリアルの拘束を消滅させた。


「俺は全てを滅ぼす者この世界を滅ぼす者だ。」



ベリアルは本能で感じた。こいつは普通の魔族ではない。【滅】破壊者・奈落の主だ・・・



アバドンは両手を大きく広げ叫んだ。

【アポクテイノー・闇スコダーディ】体の周りに闇を纏わせ身体能力をあげた。


「まだ完全な力ではないがこれで少しは動ける。旦那とやり合うには十分だ。」


アバドンがベリアルに飛びかかろうとした瞬間ベリアルは手を下に振りかざした

するとアバドンの体を黒炎が包み込んだ。


「あっ・・あちーよっ・・・体が・・焼けるっ・・」



「冥府の黒炎だ、この炎は燃え尽きるまで消えぬぞ、燃え尽きるがいい。」


ベリアルが炎に手をかざすと黒炎はさらに燃え上がった。


アバドンの体は肉体が剥がれ落ちアバドンの体は原型をとどめていなかった。


その姿を見てベリアルは勝利を確信した時、背後から不気味な声が聞こえた。



「いっひっひ・・・身体中が痛すぎる・・だが・・・まだまだこれからだぜ・・・

遊び足りねぇよ・・・旦那ぁ・・・」


【特殊能力・アポクテイノー・食エクリプシ】

アバドンが能力を使うとアバドンの肉体はドロドロと液状に溶け

液状になったアバドンの体はベリアルに絡みつき腕を食いちぎった。


「くそっ・・完全に油断した・・・腕を持ってかれたか・・・

しかも奴の体が完全ではないが回復している・・少しまずいことになったな。」


ベリアルの腕を食したアバドンは自身の能力で体を再生させていた。

しかし再生するのに肉体の量が足らず体を完全に戻すことはできなかった。


「死神の旦那・・・遊び足らないと言いたいところだが元々万全の状態ではないもんでね

今回はあいつの希望通りダメージは与えたし魔王は死んだし、

また遊びに来るってことで・・・じゃまたね、いっひっひ・・・」


アバドンはそう言葉を言い残すと地へと消えていった。

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