第14話


その頃ベリアルは魔族界にて魔王マルファスに会い話していた。


「マルファスよ単刀直入に聞くぞ、魔族と死神が繋がりが何かを企んでいる。

故に死神界に裏切り者がいる事になる。それは一体誰だ?」



ベリアルは何かに気づいていた。変わり果てた魔族界・・・

覇気がない魔王といい何かがおかしい。



(魔族の反逆者と死神界の者が繋がり、

何かを企んでいるのは間違いない。それは一体・・・)



魔王マルファスが口を開いた。


「ベリアルよ、私は初代大王に恩義がある。力になりたい・・・と

言いたいところだが、それはできない。

初代大王は消え、冥府の軸は歪んでしまった・・・。

今の魔族界は私がここにいることでなんとか保たれているんだ。

だからは私はここを動くことができないのだ。」



今の冥府の軸が歪んでいることにベリアルも気づいたが、

ここまで影響を及ぼしていることに気づいていなかった。



そして魔王は続けた。

「死神界の者は知らないが企みに手を貸している者は見当がつく、

軸が歪んだことにより

地獄の王とも呼ばれた【アバドン】が復活したのだ。

今は完全に力を取り戻していないが

完全復活をしたアバドンは私にも手をつけられん・・・

力を取り戻すためにも奴が手を貸した死神と

何かを企んでいるのは間違いないだろう。」



ベリアルは驚きを隠せなかった。



【アバドン】とは史上最悪と呼ばれ、ある時は地獄の王とも呼ばれていたほどの魔族である。


魔族でも特別な地位を持ち、他の悪魔にも従えるのを嫌っている。

初代大王が作り上げた魂を1000年も閉じ込めるほどの力を持っていたが

過去に反逆を起こしたアバドンは大王ハデスにより

魔族界に存在する奈落へと封印された。

あまりに強い力を持っていたため大王ハデスの力でも1つに封印することができず

アバドンの力は4つに分けられた。



「そんな奴が完全に力を取り戻してしまったら今の冥府は完全に終わってしまう・・・

何とかせねば・・・私が本気で戦っても勝てるかどうかわからぬ・・・

ルシファーを覚醒させるしかないか・・・」




ベリアルがルシファーの名前を口にすると魔王が反応した。



「ベリアルよ、今誰の名前を口にした?」


魔王はルシファーを知っているのか?



「・・・ルシファーだ。何か知っているのか?」




ベリアルが聞くと魔王は少しためらったが話し出した。





「受け継がれし転生者の話はベリアルもよく知っているだろう・・・?」



魔王の質問にベリアルは鼻で笑うかのように頷いて返事をした。

だが、魔王が話したことは想像のつかない内容だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る