第5話


ベリアルとの話が終わるとすぐにゴーシュが迎えに来た。


「ルシファー君お疲れ様。何事もなかったようだね。」


「なぜですか?」


「ベリアル様が新人と2人で話すなど未だかつて無いことなのだよ。

しかもベリアル様から申し出るなどあり得ぬことなのだよ。」


その後、俺はゴーシュからベリアルの偉大さをこんこんと聞かされた。


「あの、すいません・・・他の四天王はどんな方たちなのですか?」


その質問をするとゴーシュは困った顔をしながらこう答えた。




「よくぞ聞いてくれたな、しかしその質問には明日答えるのだよ。

今日は休むのだよ。ここは君が今日から寝泊まりする場所なのだよ。」



俺は話に夢中にになり気づかなかったが、目の前には大きな宿舎があった。

お世辞でも綺麗とは言えないが想像していたよりかはマシな気がする・・・。





ゴーシュは中に俺を連れて行くと一緒に生活して行く仲間だとみんなに紹介してくれた。


その中で1人すごく馴れ馴れしくしてくる死神がいた。

名は、アントニーというらしく俺と同じ、転生者らしい。


「よろしく、ルシファーちゃん、転生者同士仲良くしよう。今日から友達だ」



彼は、強盗に目の前で家族に殺されてから自分を殺された

それにより怒りで彼だけが転生したとのことだった。


「よろしくお願いします・・・アントニーさん、

そんな辛い過去があるのになぜ笑っていられるんですか?」



その質問をした時、周りの顔が凍りついた・・・


俺は聞いてはいけない質問をしてしまった・・・だけど聞かずにはいられなかった。

今後の死神人生に必要だと思ったからだ。俺の今までの人生を変えるためにも・・・



「そんなの簡単だよ、僕は死神なんだ

今は下級だけどいつか四天王になって大罪を犯した奴らをぶっ殺してやるんだ。」


アントニーの顔は凄まじく歪んでいた・・・俺は死神なんだな・・・




その後俺はゴーシュに部屋を案内された。

部屋にはベッドと姿見だけが置かれていてとても殺風景だった

俺は姿見の前に仁王立ちし、転生後の自分の姿を見た。



その姿は言葉を失う者だった・・・・・・・





(切れ長の瞳に、鼻筋の通った高い鼻、今でいう美形ってやつじゃないか・・・

銀色に輝く髪、程よく筋肉のついた体・・・・これって・・・・・・・)

















めちゃくちゃイケメンって奴になってるんじゃ・・・・・・








(うーん・・・転生前の俺・・・転生後の俺・・・・

比べようのないくらいの豹変ぶりだ・・・転生も悪くないな)



【結論・・・転生も悪くない】


(って誰に話しかけてるんだ俺は・・・今日はもう寝よう)



「ゴーシュ先輩、今日はもう休んでいいですか?」


「おう、明日からは忙しくなるぞ今日はゆっくり休むといい、ではまた明日なのだよ」



今日は色々あったせいか目を瞑るとすぐに眠りについた。



明日から自分の身に何が起こるのかも知らずに・・・・・





そして翌朝




新人死神の朝は早かった、人間の世界でいう今は4時くらいか?



俺は騒がしい物音ですぐに目が覚めた。


何の音だろうか・・・

骨が折れるような鈍い音、何かが引き裂かれるような音

・・・すごく不気味な音だ・・・


なぜだろう。俺は音に敏感になっていた。そして物音の正体は・・・









そう、新人死神の朝は・・・・・・







幻獣の朝食作りから始まるのだ・・・。



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