第63話アル中になって入院した話
私の人生の中で、一番のどん底になった時期の始まりの頃の話をしたいと思う。私は仕事のストレスで、ちょくちょくと体や精神面に支障を来しながらも運動やストレス解消に向けて努力をして過ごしておりました。そんな時に、ちょっとしたエラーなのかパソコンの画面が点滅したんです。あ、危ないかも…と思ったら意識をなくしました。私は先天的に光過敏性発作症(俗に言うポケモンショック)を患っており、小学校6年生に発症してからずっと何の問題も無く過ごして来たのですが、10年以上ぶりに再発作を起こしてしまいました。再発作を起こすと、2年間は運転を禁止されます。無理矢理やれますけど、万が一の事故になった時の一切の保証はありません。ついでに逮捕されます。
私は病院に運ばれて、そこで絶対安静にして下さいと言われて二日間を家の中で過ごしました。全身に強い痙攣を起こしたので、痛くて殆ど動かせない状態で天井を見ながら涙が出ました。(どうして私ばかりが頑張って、皆は楽ばかりしてるんだ?先輩もだんまりして、スマホでネットサーフィン。後輩も楽する事を学びやがった。なんで私だけがこんなに追い込まれて、必死こいで仕事してるのをそんなに見て見ぬふりして過ごせるんだ?なんで頑張ってる私がこんな目に合わなければいけないんだ?)と全てを憎みました。
仕事に復帰した時、これは私がやるよとか、心配されると思っていたんです。任せてはいけない、だから体調崩したんだな…って周りが変わる事に期待したんです。でも「大丈夫?」の一声だけで(無い人もいた)、居ない間に誰でも出来るけど私がやっていた仕事はキチンと溜まっていて、(お前がいないせいで…)と圧を掛けて来る先輩もいました。この時に私はただですら不満があったのに、余計に全ての事が嫌になりました。こんな所で、こんな奴らの為に働きたくない。馬鹿みたいだ、もう辞めよう!と看護部長に相談を持ち掛けましたが、説得されしまいました。私はその病院独自の役職「人材育成、院内総合補助課」の代表だった事もあり、確かに投げ出す事に責任は感じていました。それに私は褒められるとかなり弱くて、看護部長には日ごろの頑張りをこんな所まで見ていてくれたの?って所まで褒めてもらいました。(だったら助けろよ!とも思いましたけど)後、数少ない同期からは心から心配と励ましをくれたり、患者さんからも元気を分けてもらったので、この人達の為だけに頑張ろうと決めて働きました。
だけど、メンタルとストレスと体力と現状はそうそう変わりません。「なんでこいつらが楽する為に、こんな私が頑張らなければならないんだ」って日々は続きます。そんな中で不満を解消する為にお酒に手を出しました。最初は、家でだけ飲んでいたんです。だけど次第に駅の中のコンビニでお酒を買って、電車の中で飲むようになりました。仕事に行くのがとにかく辛くて、素面で過ごしているのが苦痛で、私も不真面目に働いてやる!って酒に手を染めてたんです。仕事の帰りも、「あいつらその気になったら殺してやる!頑張ってる私が評価されるべき!あいつら皆不幸になってしまえ!」そう思いながら酒を買って電車内で飲んで帰っていました。これは段々と仕事中にも入り込むようになりました。ウィスキーのボトルをバックに詰めて、休憩する度にロッカーで飲酒をしている。そんな日々を次第に過ごす様になりました。これは結構バレないで過ごせていたんですね。私自身がお酒に強い方だったのと、バレかけても酒好きだから二日酔いですで通せた、煙草を吸うのでブレスケアも徹底していたので、長い間もそんな生活が出来たのです。
段々と誤魔化せない位に酔っ払ってる日々に変わって行き、とうとう休憩時間に皆の目の前でニタニタしながら酒をガブガブ飲んでしまっていたそうです。(覚えていない)そんで、自分の働いている病院の依存症患者のいる空間に入院させられました。数少ない親切にしていただいた人達から助けてやれなくてごめんと謝られ、私の周りの労働環境に改善の動きが入り出しました。入院している間はアル中患者さん達から弄られながらも、励ましを貰っておりました。患者として過ごしたかったんですけど、どうしても難しい場面があり(自分も気が紛れるから)少しだけ働いていました。結局、この後も同じ病院で働き続けました。だけど、色んな問題がその後も続いて適応障害にもなって、もう場所を離れないと治らない宣告を受けて今は、独立する先生と一緒に心療内科をしている。自分自身も、心を病んでる患者さんも幸せにしてあげたいと思っている。因みに今もお酒はセーブして飲んでいる。
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