第40話貰い煙草

受動喫煙だとかニコチン中毒だとか、その辺の思想が強い方はご遠慮下さい。まぁ、煙草じゃないものに例えてもられば少しは分かってもらえると思う。想像力が豊かな嫌煙家さんは何かに変換しながら読んで欲しい。


「一本、煙草ちょうだい!」ってのは煙草の世界で結構見られる光景だ。お金はあるけど、買いに行ける状態じゃない。またはお金が無いけど吸いたい。その煙草に関心がある。大雑把に分けてその3つで貰い煙草というのは行われる。


貰い煙草をした人間は、本数が少ない場合を除いては、基本肩身の狭い喫煙者同士なので、親しければ高確率で煙草をゲッドする事が出来る。しかも、提供する側にお返しをしなくても良い場合がある。年々増税で煙草の値段は上がって行ってるが、この時に限っては一本〇円での計算扱いになる。煙草の本数も財布も十分にあるのに拒否をしてしまうと、「ケチ」「器が小さい」などレッテル張りが行われる可能性がある。そもそもは煙草やお金を切らしているその人間が悪いのにだ。


喫煙紳士としての理想は、互いに煙草を交換する事である。煙草は名刺交換と一緒だとプロ喫煙者のお父さんが言っていた。こうする事で結束力が出来るのだ。仮にその時は切らしていても、後でこれどうぞと差し出す。それが喫煙紳士のする行いだ。


まぁ、上手く行く事はない。きちんとしている奴はずっと煙草のストックを常に持っていて、だらしない奴はいつまでも煙草を切らしかける。一方的な関係が出来る。でも、この範囲までは私は許せるのだ。だけど、内心許せないものがある。


それは貰い煙草したくせに、根元まで吸わない奴だ。私は残り5分の1までは煙草を吸って欲しいのに、3分の1だけ吸って、酷い時は10分の1で止める奴がいる。非常に腹が立つ。それでもう一本頂戴とかぬかす奴がいる。


あんね…肩身の狭い喫煙者同士、煙草の事は助け合いだ、色んな人の喫煙を尊重しましょうとは思ってますけど、貰った煙草は必ず根元まで吸えと思うんです。名刺交換をしてポイっとされて、また名刺下さいなんて言われてる気分です。いやいやいや、そこに捨てたの拾えってなるでしょ?煙草もそうなんです。まだ吸えるところあるから吸えって思うんです。


でも、そんな人達って理解してくれないんですよね。吸い終わった煙草はどんなに長くても死んだ煙草、シケモク扱いです。よく、煙草を根元まで吸うと「貧乏くさい」「体に悪い」「マズイ」なんて人がその中に入るんですけど、ハッキリ言って煙草を辞めろと思う。そんな事する奴に煙草の美味さとか健康を語られたくない。分かんないで言ってる馬鹿だと思っている。「吸い方が下手くそだから不味くなるんだ!吸う長さで健康を気遣うんじゃなくて、長く煙草を吸う為の体力づくりを行え!」と思うのだ。


だから私は、根元まで吸う事を条件に煙草を同意してもらってる。それが守れない奴には一切の煙草をあげない。勿論、根に持たれて貰い煙草をさせてくれないならば金輪際の取引は停止である。

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