雨音は母の唄

6月6日、朝から雨。


そんな日に 私は生まれたかった


ざぁざぁざぁ……


雨音を子守唄にすやすや眠っている

小さな小さな私



そんな情景に憧れたのは

子供のころ母が教えてくれた

「かわいいコックさん」の絵描き歌のせい


アヒル顔のコックはまったくと思えず

そのかわりに なぜか私の頭の中に浮かぶのは

ざぁざぁ降りの雨の向こう

窓辺で眠る赤子の姿だった



母の歌う声が 想像の中の雨音に重なる



──そんなやさしい時間もあったんだよね


母と私の間に

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