06 噂を広めて追い返す



 しかし、彼等はトラップごときでへこたれる者達ではなかったらしい。

 今日も来た。


「くっ、今日こそあの錬金術師をひっぱりだしてみせる!」

「のです」

「であーる」


 先日の三人だけかと思いきや。


「特務隊の皆さまもお力を貸してください!」

「「「りょうかい!」」」


 何か、人数増えてる。


 特務隊って、何やってるのかしらないけど、スカウトに精を出す部隊じゃないよな。


 他に仕事あるだろ。

 勧誘している暇があれば、自分鍛えるか国に貢献してろよ。


 今日も営業妨害されたらたまらない。

 トラップで駄目なら、噂で追い返す事にした。


 俺は、偶然できたホムンクルスの鳥を放って噂を広める事にした。


 真実味はゼロパーセントだが、面子を気にする兵士なら堪えるはず。


「○○の兵士さんの母ちゃんでーべーそー」

「〇〇はカツラだ」

「〇〇のフラれた回数はすでに三桁、おしりぺんぺーん」


 おいこら、挑発しろとは言ってないぞ。


 案の定顔を真っ赤にした兵士達。


「ななななっ、母の悪口を言うなこの卑怯者」

「ヅラではないのです、装飾品なのです!」

「フラれたんじゃないのであーる。身を引いたのであーる」


 扉を隔てても分かるくらいの怒気を放ちながら帰っていった。

 一部内容、あってたんかい。


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