三日月藻
三日月藻。名前といい姿といい、可愛いですよね。
私は根っからの文系で、理科もあまり好きではなかったので、行き当たりばったりに微生物について調べて、思いつきで書いてます。
微生物は、好きでした。調べてみると、いろいろあって面白いです。
真が教室で周囲と喋らない話。
登場人物には複数のモデルがいますが、これは、私の話。
気がついたら、学校で喋らなくなっていました。
授業で指されたら答えます。何を答えればいいか、分かるから。
でも、周囲と雑談はできない。学校でなければ、友達とは喋れる。周囲からは何故なのか聞かれる。本人にも、分からない。
今だったら場面緘黙といわれたのでしょうが、当時はそんな言葉、誰も知らなかった。
ある事件があって、小学6年生の自然教室を境に、私は学校で喋るようになりました。
それで随分、生きやすくなったところはあったと思います。
けれど、その時から、私の中には断絶が生じました。
私自身は何も変わらないのに、周囲の反応がこうも違うのか。
疎外していたはずの人が、さも親しげに話しかけてくる。
それが、解せなかった。
何も喋らない私より、喋るあの人の方が、遥かに人を傷つけているのに。
それでも、この世界に馴染まなければいけないのだろうか?
今なら、周囲の戸惑いや苛立ちも、分かるのですが。当時はそんな風にしか思えませんでした。
他人と交わらずにきた分、人間関係の暗黙のルールが分からず、私は周囲を観察し、真似をしながら生きてきました。
喋らなかった自分と、喋るようになった自分。どちらが本当の自分なのか。断絶を埋めるまでに、長い時間がかかりました。
大学生になって、やっと、私は社交的な人間にはなれないのだと気付きました。
全てを曝け出すことは無い。表面的な、最低限の付き合いができればいい。分かる人にだけ、分かってもらえたら、それでいい。
やっと、楽になりました。
こんな私を受け入れてくれる人達に出会えたことが、大きかったのだと思います。
何事も、私は時間がかかるのです。
早咲きの花もあれば、遅咲きの花もある。
人は社会で生きていかねばなりませんが、そのために他者とやりとりできるようになるまでに、時間がかかる人もいるのです。
それを理解してサポートしてくれる人がいたら、本人もそれを望むなら。
或いはもう少し、生きやすくなるのでしょうが。
真には、そんな願いを込めています。
彼が彼らしく、生きていけますように。
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