　悪魔令嬢を目指すために、まず権力を強化する事にした。

　貴族の世界は複雑で、やるべき事はたくさんあるけど、目標は単純。

　とりあえず偉くなれ！

　ようするに、国の王様とか偉人がやるみたいな事をすればいいのよ。

　そのためには、えーっと？

　人助け？

「はいはい、順番ですよー。並んでください。そこ、押さない。ご飯はまだまだ余ってますからねっ」

　というわけで、偉い人が良くやる偽善的行動をとってみた。

　正義の行動ではなく、偽善の行動だ。

　人を助けつつ、裏では腹黒い笑い声をあげる。

　これこそ悪役って感じよね！

　さっそく、護衛を連れて貧民街へ行って、炊き出し参加。

　貴族が身一つでいきなり顔をだしたら、袋叩きにされるので変装もして、と。

「ほらほら、ならんでくださーい。焦らなくてもちゃんとありますから、大丈夫ですよ」

「何と良い人達だ」

「ありがたやありがたや～」

　ふふっ、もっとあがめなさい。

「まるで聖女様のようだ。素晴らしいっ」

　ん？

　何か思ったのとは違う方向に向かっているような。

　まあ、いいか。

　この調子で頑張りましょっ。

　後で、裏で高笑いするのも忘れずに行わなくっちゃ。

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