第6話 初めてのおっぱい!(2時間ぶり2回目)
「【
俺は咄嗟に壁を作る防御魔法を発動させる。
リーネの拳はその壁と衝突し鼓膜が破れそうな轟音をあげる。
その衝撃で壁が崩れ落ち、その先に鬼の形相をしたリーネが見える。
恐ろしや、恐ろしや……
「おい‼ なんで防御すんだよ変態!」
「なんでって、そんなの直撃したら死ぬぞっ」
リーネの怒号が響く。
そんな殺意溢れる魔法を使っておいて、防御するなは無理がある。
「寸止めにして、肋骨24本ぐらいで済むように調整してたから死なないさ、へんた……友人のギルを殺すわけないだろ」
矛盾した主張するリーネ。
寸止めで肋骨折るつもりだったのかよ! それに今変態って言おうとしたよな。
「あの~、リーネさん。人間の肋骨何本あるか知ってます? 24本って全部ですよ。それに死なないにしても骨折れたら痛いんですよ~」
「そ、そんなの知ってるぞ……折れても保険の先生に【
俺の茶化すような言葉にリーネが目をキョロキョロさせる。
分かりやすく動揺しているな……そして肋骨の数知らなかったのね。
それに治るから大丈夫とか暴論が過ぎるぞ‼
「治るって言っても折れたら痛いからな‼ 」
「そ、それもこれもギルが悪いんだぞ‼ 期待させるふりして……お、おっぱい揉ませろとか言うから‼」
「う……それは……」
「……私のドキドキを返せよぅ……」
それを言われると弱いな……何を期待させたかのか分からないが……
罪悪感に苛まれながら言葉を詰まらせていると、リーネが顔を赤くして何やら呟いている。ああ、顔が赤いのは夕日のせいか。
「…………」
「………………」
どうしようかこの空気。
沈黙という気まずさが二人を包み込む。
そうだ、そもそも課題のことを話さずにおっぱい揉ませてほしいとかお願いしたのが間違いだったんだ。別に隠すことじゃない、正直に話せばよかったんだ。
そう考え、この重い空気を打ち破るべく言葉を絞り出す。
「あの……これには海より深い訳がありまして……」
「……その海より深い訳、聞かせろよ」
俺は真面目な顔でリーネに向き合い、課題について話す。
「簡潔に言うとおっぱい揉まないと卒業出来なくなった」
「簡潔過ぎて意味不明だ」
真顔のリーネに食い気味で冷たく返答される。
さすがに簡潔すぎたか……
俺はおっぱい図鑑のことについて情報を整理してもう一度リーネと話す。
「詳しく言うと卒業試験の課題が『おっぱい図鑑完成』で図鑑登録のためにおっぱいを揉まなくてはいけないことになった」
「……ダメだ、詳しく聞いても意味が分からない」
俺の言葉を聞いてリーネが難しい顔をして考えこんでしまった。
鬼の形相が賢者の顔にすっかり様変わりだ。
そしてリーネは何かに気づいたのか勢いよく口を開く。
「そもそも魔法学園の卒業試験なのになんでその……お、おっぱいなんたらを完成させる課題なんだよ! 魔法関係ないじゃん‼ おっぱい学園の課題じゃん‼」
その言葉前にも言った気がするな。そうだよな、関係ないよな、そう思うのが普通だよな。あとおっぱい学園って何ぞ?
まあ、おっぱい学園はどうでもいいが一応、取って付けた様な魔法要素も説明しておくか。
「おっぱいを揉むのに【
「揉むのが試験だろ……そんなのただのおまけじゃん」
その正論にぐうの音も出ない。俺が作った課題ではないが……
誰か救いの手を差し伸べてほしい……
「……で、もう誰か登録したのか?」
「……え?」
そこ、気にするところなのか? 予想外の質問で呆気にとられる。
図鑑には一応リリアーヌ先生が登録されているが……
あれは担当教師だから最初から登録されているだけであって先生のおっぱいを揉んだわけではない。でも先生のおっぱい揉んでみたかったなぁ……
「……いや、まだ誰のおっぱいも揉んでないよ」
「じゃあ、私のおっぱいを初めてにしようと思ったんだな……」
リーネが少し嬉しそうにしている。今の流れに何か嬉しいことあったか?
そして何かを決心したようにそのまま近づいてくる。
向かい合う俺達の距離は30センチほどになった。
「なんで私だったんだ」
「なんでって?」
「なんで私を初めてのおっぱいにしようと思ったんだ?」
そうだな……ざっくりした性格のリーネならいけると思ったからなんて絶対言ってはいけない流れだ、流石に分かる。言ったら今度こそ死ぬ。
あと、初めてのおっぱいとか自分で言わないでくれ。いくらリーネとはいえ女の子に言われるとちょっとドキドキする。
「一番仲のいい……女の子だったから」
「そうか……私はギルの中で一番仲のいい女の子なんだ……」
俺の答えを聞いたリーネが右手で髪をいじりながら照れたようにそわそわしている。
あれ? リーネがかわいいのだが……
今まで無かった初めての感情に動揺した俺は、その動揺を隠すように矢継ぎ早に話し出す。
「そうだ一番仲がいいぞ‼ 俺にはリーネしかいない‼」
「わ、私しかいないのか…………なあ……お、おっぱい揉んでもいいぞ……や、優しく揉んでくれよ……お前にだったらいい……」
さっきは鬼のように怒っていたリーネが急にしおらしくなっておっぱいを揉んでいいと言ってきた。この数分で感情がジェットコースターのように上下している。
至近距離で見つめ合う俺達。緋色の瞳が夕日に照らされキラキラと輝いている。
「リーネの目……綺麗だな」
「え?……な、な、ななな何だよ急に‼」
その瞳があまりにも綺麗だったので俺は思わず口にしてしまった。
そしてリーネの顔が今にも爆発しそうなくらい真っ赤になっている。
これは早く終わらせた方がいいな……絶対夕日のせいではない。
俺はそう思い右手に魔法を発動させる。
「悪いリーネ、そしてありがとう。【
「や、やるのか‼ ゆっくりだぞ‼ 優しくだぞ‼ 初めてなんだからな‼」
分かっている。俺だっておっぱいを揉むのは初めてなんだ。優しくするに決まっている。
リーネに向かって手を伸ばす。そしてそのおっぱいに手が触れる。そして揉む。
ふにょん
「あんっ…………」
リーネが妖艶な声を出す。
いかん鼻血が出そうだ……
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