第3.5話
太一というのは息子さんの名前だろうか。
「きっと素敵な人だったんだろうな、小夜子さん」
息を吐くように零れ落ちた一言に、ノラがヴゥ…と変な声をあげて応える。
「最期まで息子への愛情でいっぱいだったニャ」
「どうしたの?泣いてる?」
「泣いてニャい!」
読んだ手紙を丁寧に封筒へ戻すと、封筒はすぅっと消えていく。
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