008――蜂侍

 蜂侍はちざむらいと呼ばれる侍がいた。

 蜂侍はただひたすらに刀を振りまわす。ブンブン、と。それはもう狂ったように。

 しかし、これは蜂侍の秘技なのだ。

 一心不乱に刀を振りまわす蜂侍の姿に、相手は戸惑いの色を隠せない。なにより危なくて近付けない。

 蜂侍はその隙をつくのだ。

 毒針仕込んだ吹き矢で……。

 チクリ。

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