リベンジ🔫ドッグ 北海道・東北殺人事件

鷹山トシキ

第1話 北海道

 2008・6・13

 小樽に住む不良少年、竹内洋が、敵対するグループと一戦交えていた時、姿を消していた友人の木下未来が帰ってきた。未来は『狂犬』と呼ばれる札付きの不良で、洋は彼に憧れていたが、未来の内面は変化していた。彼は、喧嘩を嫌うようになり、水槽の中で殺し合う魚を見つめる。


 小樽にある私立高校の同窓生、鈴木渚と土屋あずさ。17歳ですでにSEX経験済みのあずさ、それに対して渚はまだ未経験の処女。

 そんな渚の最大の関心事といったらSEX、早く処女を捨てること。そんな渚に好意を持つ童貞男の武藤涼介。ある夜、渚は男子とデートして、ついに初経験、処女を捨てることに成功する。すると、渚はまるで人が変わったかの様に、そこらの沢山の男とデート、彼女のSEXに対する好奇心はどんどんエスカレートしていく。そんな彼女を涼介は心配する。

 そんな中、渚は誤って妊娠してしまう。友人あずさは怒ってその相手であろう竹内に嫌がらせをする。彼の愛車ナナハンに赤いスプレーで『変態』と書いてやった。


 6月22日、緑の島でギャングがマシンガンをぶっ放す事件が起きた。

 朝のニュースを見た渚は2・26事件とは逆、6・22事件だと思った。

 末広町の十字街にあるクラブ『ミッキー』は、従業員は貧乏人だが、客は富豪に限られる高級ナイトクラブだった。クラブのオーナーである明石圭と及川良純は、暗黒街の黒幕的存在で、ギャングたちを牛耳っていた。


 ギャングのボスである及川は、チャチャ登りで襲撃を受け、聖ヨハネ教会の近くでピアニストの大方ちとせに命を救われた。

 ちとせは巻き添えを食った演歌歌手の高木三郎に一目ぼれするが、三郎はゲイで、及川の愛人になる。三郎には、東京に進出するいう野心があったのだ。ちとせは、及川に顎で使われる立場に嫌気がさし、脱却の機会を窺う。


 大学生である尾財裕翔は歌手のオーディションを受け、合格する。裕翔は竹内との対立や、20歳も年上のちとせとの恋に悩みつつ、北海道での人気を確実なものとして行く。


 ちとせは『ミッキー』のオーナーである明石の口利きで、ギャング映画に出演し、スターになる。

 だが、女優の卵だった、鈴木渚は、暗黒街での成り上がりを目指していたが、6月29日の深夜に何者かに射殺される。


 北海道警察の新人刑事、瀬島祐希は渚を殺した犯人を一刻も早く捕まえたかった。

 容疑者は7人

 武藤涼介 

 土屋あずさ 

 木下未来 

 竹内洋 

 明石圭

 大方ちとせ

 及川良純


 武藤は渚に思いを寄せていたが、『チビなんか相手にしない』と一蹴されている。

 あずさは渚とかつては仲が良かったが、カレシの竹内洋を奪われている。木下未来は何度も補導されてる札付きのワルだ。レイプしたこともあったが、県警に親戚がいて揉み消されてる。

 竹内洋と未来は親友で、洋は渚に妊娠させた。渚は喜んでベビー服を編んだりしてたが、未来の話によると洋は中絶を迫ったこともあるそうだ。

 明石圭は渚の雇い主だ。働き方をめぐって、渚から文句をつけられていたようだ。

 大方ちとせは渚とは仲が悪く、ケンカが絶えなかったようだ。

『おばさんが夢見ようなんて甘いんじゃない?結婚してないんでしょ?高齢出産ってツライらしいよ?』と言われたことに腹を立てていたと、明石から聞いた。

 及川はギャングのボスだ。銃なら簡単に調達出来たはずだ。

 事件当夜のアリバイがないのは、及川、あずさ、未来の3人だ。

 

 リーマン・ショックによる不景気の時代がきても、『ミッキー』は相変わらずの賑わいだった。

 ボックス席で大方ちとせは明石圭の股間を撫でていた。

「立派なのね?」

「君こそ、テクニシャンだな?」

「それにしても暑いな?」

「もう7月だからな?」

 明石はクーラーの温度を下げた。ピッピッ♪

「ちとせは青森出身だったな?」

「うん、弘前」

「ご両親に挨拶したい」

「え?それって?」

「君と結婚したい」

 裕翔に恨まれないだろうか?ちとせは心配だったが将来的なことを考えると明石の方が安心だ。


『ヒロシの冒険』

 タケウチ・ヒロシ

 キノシタ・ミライ

 オオカタ・チトセ

 アカシ・ケイ

 オイカワ・リョウジュン

 ムトウ・リョウスケ

 スズキ・ナギサ

 オザイ・ユウショウ


 🌴🌴🌴

 🌴🏯🌴

 木に囲まれた城にヒロシはやってきた。🍴、食堂でナイフとフォークを手に入れた。食堂を出るとキノシタ・ミライがいた。

 ミライは手の中に何かを持っていた。

 🍏

「コイツは毒リンゴだ」

 街を破壊しているスズキ・ナギサを探し出して倒さないといけないが🍏がないと倒せない。ナギサは青鬼で🍎では倒せない。

 緑の島にある城から出た。 

 

 対岸には三角屋根の赤レンガ倉庫が建ち並んでいる。

 ⛵🚤🚢、3種類の船が停まっていた。

 ヨット、モーターボート、フェリーだ。

 ヨットが1番安いらしい。

 モーターボートなら赤レンガ倉庫に直行する。倉庫にはナギサが監禁されてるそうだ。

 フェリーなら海外に行ける。

 ヒロシはずっと派遣会社で安くこき使われていた。フェリーは1番高い。

 仕方なくヨットを選んだ。

 🌊🌊🌊🚢🌊🌊🌊⛵🌊🌊🚤🌊🌊

 ゆっくりと進むヨット、背後からボートがグングン迫る。

 🚢🌊🌊🌊🌊🌊⛵🚤🌊🌊🌊🌊🌊

 🌊🌊🌊🌊🌊🚤⛵🌊🌊🌊🌊🌊🌊

「クソッ!」

 ヒロシは苛立った。波がバシャ!とかかった。「クシャン!クシャン!」クシャミが止まらない。

 

 ヨットは漸く岸に到着した。新島襄海外渡航の石碑がある。

 👟スニーカーを見つけた。ヒロシはスニーカーを履いた。メチャクチャ足が速くなった。

「どこに行くんだよ!」

 ミライが吠えた。

 末広町電停にやって来た。函館まで市電で7分、徒歩だと25分だ。このスニーカーなら徒歩でも15分で行ける。

 基坂をグングン駆け上がる。石畳が続く坂の上には異国情緒あふれる旧函館区公会堂が見えた。

 👨「あれ?ヒロシ?」

 💂「ケイじゃねーか?」

 ヒロシとケイは共に第三次世界大戦に従事する。

 👨「いつか、アメリカをぶっ潰そうな!?」

 以前から女に病的な執着心を持っていたケイは戦争体験から精神に異常をきたし、軍の精神病院に収監される。顔面を負傷したケイは別の病院で治療を受けていたが脱走した。

 🐺「何だよ!ここにいたのかよ!?」

 💂「ミライ、おせーよ!」

 ペリー提督来校記念碑がある。安政元年(1854)にアメリカ海軍提督のペリーが5隻の艦船を率いて来航した。

 👨「クソッ、アメリカ!」

 ビュン!💣手榴弾を石碑に投げつけた。

 ドンッ!💥ペリーは粉々に砕け散った。

 ヒロシは足が速く、ミライは毒リンゴを持ち、ケイは手榴弾を扱えた。

 ファン!ファン!🚓

 サイレンを鳴らしてパトカーがやって来た。

 👮「ヒロシ!待ちやがれ!」

 拡声器に向かって声を張り上げてるのはオイカワ・リョウジュンだ。ヒロシは勇者を気取っているが、泥棒だ。

 💂「つかまってたまるか!」

 ミライは狼だ、メチャクチャ足が速い。が、ケイは人間だ。オイカワに逮捕された。

 

 ヒロシとミライは旧イギリス領事館にやって来た。美しい庭園に囲まれている。

 👩「キャアッ!狼」

 世界的に有名な女優のオオカタ・チトセが現れた。

 💂「しばらく匿ってほしい」

 ヒロシはナイフとフォークでチトセを脅した。

 👩「わ、分かった」

 🏡ヒロシは豪邸に入った。

 🐯🐴🐻、様々な剥製が飾られていた。

 猟銃も置かれてあった。

 💂「意外な趣味を持ってるんだな?」

 👩「ストレス解消には持ってこいよ」

 💂「『北海道ラブストーリー』は面白かった」

 ファン!ファン!🚓

 💂「クソッ、オイカワの野郎」 

 👩「煙突の中に隠れて!」

 💂「恩に着る」

 ヒロシは煤だらけの煙突に隠れた。

 チャイムが鳴った。

 ガチャン!ガラスが割れる音がした。

 オイカワが豪邸に侵入してきた。

 オイカワが警察拳銃をチトセに向けた。

 👮「ここにヒロシがいるだろ!?嘘ついたらぶっ殺す!」

 オイカワはタカやユージも真っ青なあぶない刑事だった。

 👩「ルルララルルラララリラリラ♪」

 チトセが呪文を唱えると🐯と🐻の剥製が動き出した。🐯はムトウ・リョウスケ、🐻はオザイ・ユウショウ……ヒロシの泥棒仲間だ。チトセは魔法使いで、侵入して来たムトウとユウショウを剥製へと変えた。

 🐯と🐻に👮は喰い殺された。

 🐯「あー、うまかった」

 🐻「やぁ、ヒロシじゃねーか?」

 匂いを嗅ぎつけてユウショウが煙突にやって来た。

 🐯「ガオォッ!」

 👩「キャアッ!」 

 🐯「宝石はどこだ!」

 👩「こっちよ!渡すから殺さないで!?」

 🚪ガチャ!ガチャ!ドアを開けると宝石箱があった。箱を開けると💎が出てきた。

 👩は猟銃でムトウを撃ち殺した。

 👩「キモキモキモキモキモモキモ♪」

 ムトウは再び剥製に姿を変えた。

 👨「ヒロシ!大丈夫か!?」

 ケイは体を変幻自在に動かせた。手錠を外してパトカーから出て駆けつけた。

 手榴弾をチトセに投げつけた!

 💣…………💥

 チトセは爆死した。

 💂🐻👨🐺は豪邸を出て、赤レンガ倉庫を目指した。


 ちとせは本を閉じた。『ヒロシの冒険』は柄本陽介って小説家のデビュー作だ。

 ちとせの知ってる人がたくさん出ていた。

 エモト・ヨウスケ、知らない人物だ。

(この人、私に恨みでもあるのかな?)

 不安のあまりにちとせは睡眠薬を飲んだ。泥のように睡魔が押し寄せてきた。


 瀬島祐希は函館にある寮で晩ごはんを食べていた。オムライスにソースをかける。

 昼間、県警の先輩の島田勝矢が函館湾でイコンタビブが釣れたと言っていた。アイヌの妖怪で悪い病気を伝染させる魚だ。

 島田は顔が爛れていた。

 寮を出てジョギングしてると、イシネカプが現れた。植物が人間に化けたものだ。勤務外なので銃を所持していなかった。

 島田がやって来てショットガンで倒してくれた。

「普段からそんなもの持ってるんですか?」

「何かあってからじゃ遅すぎるだろ?」

 

 


 

  

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る