後日談 その1


 「え〜と、マリー様、コレは一体?」


 何をしてるかって……マリー様が持って来た服を着てるんだよ……


「ずっと前から着せて見たかったのです。此処なら誰も文句は言えないでしょ?」


 確かに、俺が貴族の服を着ても文句は言われないけど……


「この間、新しいファッション雑誌は渡しましたよね? ちゃんと目を通して貰えました?」


「もちろんよ。新しい時代の衣服もいい物ですが、私が好むのはコレですからね。さあニノ、覚悟を決めて。」


 地味にマリー様には弱いんだよ俺って、なんかおふくろを思い出すと言うかな……


「ちょっとだけですよ。すぐ着替えますからね。」


 仕方ないから着てみよう……ピチピチタイツとか……白タイツとか……なんで美脚が男のカッコ良さなんだよ王族……。


「どうでしょう?変じゃ無いですか?」


「う〜ん……21世紀のファッション雑誌を読んだ後だと、カッコ良く見えないのは何故かしら?」


 うっ……そんなの着せないでく……


「うわ! ニノにいキモ! なんだよその白タイツ。ピチピチ過ぎて股間モッコリしてんじゃん。」


「あら、カンタさん。ノックをお忘れじゃありませんか?」


 マリー様……行儀作法にはうるさいんだよな……


「わりぃわりぃ。オイラノックするって習慣が無くてさ。今度から気を付けるよマリーおばちゃん。」


 げっ! カンタ君それは危険だ……


「私は、先日24歳の時に戻った所なのですが……まだおばちゃんと呼ぶのですか?カンタさん……」


 ほら。青筋と笑ってない目……さっさと逃げた方が良いかな?


「ニノはどう思います?今の私はおばちゃんでしょうか?」


 こっち来た……


「おばちゃんと言うより、女性ですね。お姉さんって感じでしょうか?」


「え〜。だってオイラの見た目は10歳だぜ。10歳から見たら20歳以上はおばちゃんだろ?」


「ふふふっ……カンタさんは……2回程埋めて差し上げないとですね。ニノ手伝いなさい。」


 埋めるって……首から下をコンクリートでだよな……


「4人の子持ちで、今も妊娠中だろ? 5人目が腹の中に居る女の人はお姉さんじゃないよ。ちゃんと理解しないと。一応マリーおばちゃんも神になったんだからさ。守護してんのは主婦と鬼嫁だろ?」


 マリー様って、聖域に来てから5人目を妊娠したんだよな……カペーさんと毎日よろしくやってるらしい。


「働く主婦と頑張ってる主婦を守護してるんですよ、鬼嫁は知りません。」


 そんな風に言うけど、ステータスを見たら権能の部分に鬼嫁の守護神って表示されてるんだよな……

最近だとゼウスの嫁さんと、仲良くお茶したりしてて……


「旦那の給料が月給35万円だろ? それなのに小遣い月額5000円とか鬼嫁だろ? オイラの小遣いより少ないし。」


「カンタ君、それは違う。カペーさんって、小遣い沢山渡したら車を買おうとするんだよ。大排気量のアメ車をさ。そんなの買わせる訳にもいかないから小遣い削減して貰ってるの。」


 前にカンタ君とレストアしてたコブラはカンタ君の家に置きっぱなしなんだ。


「教習所行かせたら? 地球で乗り回すくらいイイじゃん。マリーおばちゃんも一緒にドライブとか行ってきたら?」


 おっ! マリー様が……


「カンタさん。それは素晴らしいわ。ルイと2人でドライブとか……ケンとメリーみたいに見えるかしら?」


 ルンルンしながらカペーさんを捕獲に行っちゃった。


「なあニノにい、白タイツ何時まで着てんの? 気持ち悪いんだけど?」


 うっせ。部屋着には良いかもなんて少し思ったんだよ。

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