僕の幼なじみ達がやんちゃすぎて手に負えない(ディスタードEP)

仲仁へび(旧:離久)

第1話 商人の息子ヨルン



 僕の名前はヨルン。


 ヨルン・ディスタード。


 ディスタード家の独り息子で、父親はカーシャ・ディスタード。

 母親は、ノース・ディスタードだ。


 母は今生活している地域から北方にある小さな部族の里長になる予定だったらしいが、父と駆け落ちしてこの国に着たそうだ。


 たまに常識にうとかったり、物を知らなかったりすることがあるが、父親に教えてもらいながらなんとか生活している。


 そんな中、両親は商人として各地を旅している。


 流浪の生活を送っていると、知り合いが増えるし、センスが悪くなかったらしく、色々売り上げている。


 商人の息子として、それなりに豊かな暮らしを送っているところだ。


 食べる物に困ったり、寝る所に困ったりした事は、ないから、ありがたいと思っている。


 両親には内緒で、たまに母方の祖父が僕に接触してきて小遣いも渡してくれるしな。


 そんな僕には、二人の幼なじみがいる。


 一人は、お金持ちの金髪の少女。

 なよなよした外見に見えるが、しっかりとした意思の持ち主。


 橙色の、琥珀の瞳が印象的だ。


 責任感の強い貴族の娘として、毎日勉強を頑張っている。


 名前はステラ・ウティレシア。


 裕福な暮らしを送っている貴族令嬢だ。


 彼女の両親は、僕の両親のお得意様の一人で、お客様だ。


 旅で立ち寄るたびに色々な珍しいものをお買いあげてくれるので、乗客の中の乗客である。


 ぜひ、今後もうちの商品をごひいきにしてほしい。


 そして、もう一人の幼馴染は鳶色の髪をした平民の少年。

 ごく平凡な家庭で生まれ育った人間だ。


 カルル村という、一周一時間もかからないような小さな場所で、毎日端rふぃま割っている。


 村人にしては整った顔をしているし、鬼族が持つような特徴を有しているのが気になるが、まあそんなこともあるだろう。


 本人やその周りが何も言わないので、こちらは何も触れないことにしている。


 名前はツェルト・ライダー。


 ちょっと向こう見ずで、馬鹿でお世話がかなり焼ける、やっかいなアホだ。


 僕がカルル村に行くと、いつもこいつに手を焼かされるんだよな。


 おっと、話がずれた。


 一見正反対な身分の二人だけど、厄介事に首をつっこむとこは文句なしに似ている。


 ステラお嬢様は正義心で。

 ツェルトのバカは好奇心で。


 そんな二人の世話をする僕はいつも大変だ。


 振り回されるこっちの身にもなってほしいよ。


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