第52筆 両親の正体
「シンさま、コスモさまからメッセージです。」
「あ、繋がった。シンくん、光の試練達成おめでとう!! お客さんが来ているからシンくんも来てね~。」
転移門が出てきた。宇宙柄の扉が開いて謎の手が手招きしているのでいつも通り行く。
ちっ。微笑みの悪神じゃねえか。
「うえぇぇぇぇぇぇぇん!! 息子が虐めるよ~! 」
「いやいや、母さん、あんたでしょ。俺に秘密ばっかりしてさあ、虐めているのはどっちだよ。」
「二人ともやめなさい。」
「今日はね、ネタばらしの日だよ。」
「俺が天照様の孫だと。」
「!? 父さんはそれ言うつもりだった。」
「まだまだ隠していることは二つ。」
「一つ、父さんと母さんがどんな神なのか。」
「二つ、
「あ、二つ目はまだ早いね。」
「何でだよ、父さん! 」
「まぁ、良いじゃないか。1つ目は父さんと母さんは何者なのかを。」
「母さんがね
「父さんが天照様の子なんだよ。」
「オロチさんから聞いたがマジかよ。ジーザス。それでわざわざ呼んだ理由は何だよ? 」
「可愛い我が子が心配で……。」
常に微笑みを絶やさぬ母に胡散臭さを感じた。
「ぜってぇ嘘だな。」
「酷いよ、シン。本心なのに……。」
「そうだぞシン。」
「あんたら夫婦の微笑みは信用ならん。」
「嫌われちゃった。」
「俺らそんなにニコニコしているかな? 」
はい、ニコニコしています。今にもイチャイチャし始めそうなほど。俺のリアクションをいちいち楽しむかのように。
「まぁ、あれだ。シン、次の試練が終わったら教えよう。
「またね~♪ 」
微笑みの悪神夫妻は襖の転移門を呼び出して去っていった。
「まさか、あんな能力だったなんて。でも教えないよ。」
「コスモ、そこをなんとか……! 」
「だーめ。約束だからさ。」
「はぁ。……話題を変えます。悪魔と天使は? 」
「悪魔はソルドレットさんとスキアゼルくんが目覚めさせたみたい。天使は芳しくない。今ダーリンいないじゃん? 」
そう言われてみればユミトがいない。
「天界があるの。それでユミくん起こしに行ったらもぬけの殻。クシュトラの手に落ちたわ。」
「塔の迷宮の下に眠っていたんじゃ? 」
「それ、虚偽の情報。浮遊島にカムラージュされた結界があってその先に天界へとつながる門があるのよ。ユミくんが無理やり解除して開けたら―」
『もぬけの殻と。』
普通は悪魔が悪者の味方になるのが常だけど天使が敵に回るパターンは珍しいね。
「それで引き続き天使及びクシュトラを追いかけているけど何の手がかりも無い。何らかの術の跡もない。魔法使ったら魔力が残るんだけどね。」
「ふと気になりましたが、エリュトリオンのことに協力してくれるのは有りがたいですが、他の世界のことは大丈夫ですか? 」
「大丈夫よ。シンくんがいない間、勇者斡旋したり自動運行システムのお陰で問題ないよ。エリュトリオンから一人すごい子がいたから引き抜いて今、ボレザ・ラグザという世界を救ってもらっているの。難易度Aで8歳にしては凄いわ。」
「あのー、コスモさん? 年端も行かない子供を異世界転移して救ってもらうのはどうなんですか? 8歳じゃ一人で生きるには辛いですよ。」
「なーに言ってるのシンくん。あたしが子どもに対して鬼畜なわけないじゃない。あたしの眷属の子にサポートしてもらっているから大丈夫よ。」
「んじゃ、世界救済の難易度は? 」
「E~SSSまであるよ。エリュトリオンは難易度S+になったわ。クシュトラの登場のせいよ。」
そうなるとマジでその子大丈夫なのか? 心配なんだけど。
「大丈夫。シンくんが会ったことある子だから。」
「心当たりがないです。」
「鈍感系主人公のつもりかしら、シンくん。そろそろ戻ってもらうけど良いかな? 」
『転移門。』
「ビンゴ。またね~。」
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