遭難者
第1話 そうなん
みんな、突然ですがこんにちは
僕はただの少年
見た目は大きな鞄を背負っていて白いシャツに鶯色の短パンで、大きな鞄を外すと夏休み中の小学生みたいな見た目をしてる
...
小学生じゃないけど...
突然ですが、僕は今、太陽の照り付けるサバンナ?のようなところにいます
なぜここにいるかもわかりません
しかも暑くて死にそうです
そう、僕は今...
「遭難」してます
そうです、そうなんです。"遭難“なんです。
...
......
やめよう...
今は死にそうなのにふざけてる場合じゃない...
ちょっと暑さでおかしくなってた...
どこか水場か木陰に行かないと...
ちょうどあそこに木がある...
あそこで休もう...
...
......
「ふぅ...ついた...」
僕はそこに腰かけて一息ついた
「これからどうしよう...」
そう悩んでいると、ふと自分の鞄になにか役に立つものが入ってるかもしれないと思い鞄をあけた
中には赤、白、黒のチェックのシャツと灰色の長袖、ジーンズパンツとジャンパーが入っていた
ふつうは暑いと思うががなぜか涼しさを感じるのでジャンパー以外を着ることにした
さらにその奥には
「水ッ!」
...
僕はそこに数本入っていたペットボトルのうち、一本を飲み干した
プハァ「ふう!よみがえった~!」
ガサッ「ねえ君!何してるの?」
「!?うわぁぁぁぁぁぁ!!!」ポイッ
ポカッ「あだっ!」
僕はびっくりしてカラのペットボトルを投げて、みごと当たってしまった
...
「すみません!いきなり出てくるからびっくりして...」
「いいのいいの!ちょっと見慣れない子だなぁ、って思って急に近づいた私が悪いし!」
そういうと白と茶色の服に角?のようなものがある少女は立ち上がって
「私はトムソンガゼル!ルルってよんで!君は?」
なんと自分はガゼルだと言ってきた!確かにそれっぽい感じはするけど、どうみたって女の子だ!大丈夫かなこの子...
一応返す
「僕は名前が...思い出せません...」
「う~ん、フレンズ化したばっかの子かなぁ?」
「フレンズ?」
「そう、あの山からサンドスターがボーン!って出てきてそれにあたるとフレンズって言って動物たちが人の姿になるんだよ!」
そういい彼女はずっと先のほうにある大きな山を指さした
「地面がキラキラしてるところがあるけど、そのキラキラがサンドスターなんだ!」
確かに地面がキラキラしてる。サンドスター云々は本当らしいが、僕はどうも目の前の彼女がトムソンガゼルだと信じられない。
...ちょっと確認してみるか
「へぇ~、ところであの、トムソンガゼルさんの生態についてちょっと教えてくれませんか...」
「ルルでいいって!私の場合はナーバリを作って生活してるの!あと逃げ足ならだれにも負けないよ!どうして急に?」
「ちょっと気になって...嫌でした?」
「そんなことないよ!むしろ私に興味持ってくれてうれしかったよ!」
どうやらトムソンガゼルの知識はあるようだ(ちなみに僕はトムソンガゼルの知識ない)。ならば実力はどうだ。
「では走ってくれませんか?どのくらい早いか気になって...」
「いいよ!じゃあ狩りごっこする?そのほうが早さがわかりやすいだろうし」
「狩りごっこ?」
「そう!一人が追いかけて、一人が逃げて捕まったら負け!今回は私が逃げるよ!」
つまりは追いかけっこのようだ。確かにこれなら自分とも比べられる
二人は位置についた。僕の15メートルほど先に彼女がいる
「それじゃあいくよ!よ~~い、、、始め!」
開幕の合図と同時に、彼女は信じられない速さで走った
「!?」
「どう?私は早いんだよ!」
早い!かなり早い!僕の5倍くらいには早いんじゃないだろうか
~三分後~
「なんで...ハァ...スピード...ハァ...落ちてないの...!」ハァハァ
おかしいでしょ!なんでこの速さでこんな長い時間走れんの!!
全速力で走った僕はついに足を止めた
「ハァ...ハァ...は、早いね...」
「でしょ?!なんたって私はトムソンガゼルだからね!」
ほんとだったんですね、疑ってすみません。
疲れた僕たちは木陰で休憩した
...
「そういえばここ、どこなんでしょうか」
僕がそう聞くと彼女は両腕を広げ、
「ここはジャパリパークのサバンナちほーだよ!」
「ジャパリパーク...」
「ジャパリパークは広くて、いろんなフレンズがいるんだよ!」
「いろんな...」
「そう例えばあそこに!キリンがいるね!」
彼女の見ている方向を見るとマフラーを付けた人がいた
ルルが手を振ると、キリンも気づいて手を振った
「へぇ~、ルルさん以外にもたくさんいるんですね」
「そう!サバンナ以外にもたくさんいるよ!」
それからもうしばらくして彼女は
「そうだ!君は名前がないんだよね?私がつけてあげようか?」
「え、いいんですか?」
「君がいいならね~」
「はい!おねがいします!」
名前...か、無いと不便だし付けてもらおう
「ふふふっ、君の名前かぁ...名前...名前...」
彼女が悩んでいると
「お?ねえ君、それはなに?」
そういい彼女はペットボトルを指さした
「これ?ボトルだけど...」
「ぼとる...ぼとる...!」
そういうと彼女は次に
「ぼとる!君の名前はぼとる!どう?」
「はい!おねがいします!ルルさん」
「よろしくね~!ぼとる~!」
これがなんだかうれしくなり僕、ぼとるは初めて笑顔になった。
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