へいわと1日
あかな
へいわと1日
朝。
起きた時、カーテンを開けて見た空が晴れていると嬉しくなる。
洗濯がはかどるし布団を干せるからだ。
両親は軽度の花粉症だが、私は今のところ大丈夫(ダメになるときが来るかもしれないが)。
それらを一通り済ませるまでは以前の生活パターンと変わらない。
終わると近ごろ定番になった作業に入る。
自分だけの話を造るのだ。
いつの頃からだろう。どんな話を読んでも
物足りないと感じる様になったのは。
『面白く無くなった』と言うのではない。
しかし他人(ヒト)の話は一度読んでしまえばそれでおしまいなのだ。
以前から昔話は好きだった。
短い話のなかには意味不明な話もおおい。
知り切れトンボな話も。
それとは別に民俗学にも興味があった。
人気の漫画(アニメにもなった侠客モノ)の
脇役キャラの身の上話として語られた
『子どもを山の神に返す』儀式。
育てることが出来ない子どもを山の神に贄として捧げる……初め読んだ時は残酷だとしか
感じなかったが。
切っ掛けは『神選』だった。
『神に捧げた食べ物をいただく事は、神の力を得る一つの手段なのだ』
説明を読んで、その事を考えている時に先の『子を神に捧げる』儀式を思い出した。
同時にゾッとした。
『捧げられた子ども達の亡骸はどうなったのだろう。どうしたのだろう』
ーーーその亡骸も立派な『肉』、『食料』だからだ。
自分の思い付きに嫌気がした。
何でこんなことを思い付くのか。
しかし的を射ていたのだ……民俗学的な思考では。
ドラマの予告として聞いて記憶に残った
民俗学をベースとするサスペンスを読んだら『食人』(民俗学的には喫人と言うらしい)を
テーマにした回があった。まさにドンピシャリな内容だった。
コロナ禍が沢山のヒトの生活を変化させたのは疑いようも無い。
自分も例外ではなかった。
『外出がしづらいなら、これも一つの機会』とやってみる事にした。
改めて話を作ろうとすると、作家の皆さんの定番の嘆きがよく分かる。
1日24時間は短い。
次から次に新しい資料が必要になる。
それをどう纏めるかも問題だ。
造るのって大変。
でも、退屈とは無縁になった。
良かったのか悪かったのか?
当たり前に日々が続くからこそ出来る事でもある。
やるだけやってみよう。
自分の為に。
へいわと1日 あかな @koubai_1024
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