ガムテープでぐるぐる

@bonkuranaboku

冷たくて温かい思い出


雨伝う頬に温かい涙が流れる

冷たくて温かい不思議な感じ

まるで雪で作ったバースデーケーキみたいだ

甘ったるい味のする

毎年訪れる美しい思い出

何もしなくてもみんなから褒められる

歳を取るとは死に近づくことなのに

それを祝うなんて馬鹿げてるといつも思う

冷めた人ね

なんて言われても

おめでたい人ね

なんて言い返してやる

温かさと冷たさが混じるとは

例えばお風呂に足を入れた時

底の方が冷たくて上の方があったかい

そんな感じ

なんとも奇妙で不思議などきっとする体験


街は降りつける雨で煙ってる

私の涙で霞んでる

涙は感情の墓場だと

誰かが何処かで言っていた

今日の私は思考が散り散りだから

こんな支離滅裂で意味不明な文章を打ってる

私のこんなぐちゃぐちゃな気持ち

言葉ではとても言い表せないけど

何もせずにはいられない焦燥感がまさって

今は文章を書いてる

言葉にならない言葉を

テレパシーかなんかを使って

どこかの誰かさんに伝えたい

すれ違ってもきっと気がつかないような

そんな誰かさんに伝えたい


雨はまだ降ってるけど

私はもう行くことにしたよ

温かいものと冷たいものが混じり合う時

生まれるぎくしゃくを

抱えて私は街をゆく

甘ったるいケーキを囲んで

小人はルンルン歌ってる

闇に滲むロウソクの明かりが

吹き消されてしまうその前に

私も家に帰るとするよ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る