星海二万マイル

 ボクを作った博士はこう言った。


『地球という星を探してほしい』


 博士は地球について、どこから情報を得たのだろうか。

 今となってはもうわからない。

 博士は、もう動かないから。


 ボクは博士から予備のパーツを拝借して、ひたすら当てのない探索行を続けることになった。

 計器類が狂っているから、ここが宇宙のどこで、地球がどちらの方角かもわからない。

 ときどき惑星で資源を回収しながら、ボクは漂泊し続ける。


 そのうち活動限界が近づいたら、ボクはもう一機のロボットを作るだろう。

 博士そっくりのその子に、こう告げるのだ。


「地球という星を探してほしい」


と。

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