血の繋がりが無いと分かってから、妹の様子が何だかおかしい。
ミヤ
プロローグ「妹、高垣涼奈について」
俺には妹がいる。名前は
容姿は中の上、もしくは上の下。といっても、これは俺が判断したものではない。聞いてもいないのに、友人が教えてくれたのだ。一応は女性の目線で見ているから、決して的外れな評価ではないだろう。
性格はどちらかといえば内向的。とはいえ、他者とのコミュニケーションに難があるわけではなく、単純に興味が無いだけなのかもしれない。実際、数える程度ではあるが、涼奈が友達と仲良さげに会話しているところを見ているので、恐らくはそうなんだと思う。
ただし、俺は例外みたいだが。
俺と涼奈の仲は、決して良好ではない。じゃあ不仲かと言われれば、これもまた難しいところではあるが……少なくとも俺は、涼奈とここ数年まともに会話を交わした記憶が無いので、涼奈からは決して好かれているわけではないみたいだ。
……と、思っていたんだけど。
「えっと、涼奈さん?」
「……なに、お兄ちゃん?」
「いや、どうして俺の隣に座ってるのかなぁ……と思って」
「私もソファに座りたかったから」
一言。そう、答えた涼奈の表情は、いつも通りだった。
「ああそう……。いや、それは別にいいんだけどね。これだけ無駄に広いソファなんだから、もう少し離れて座ってもいいんじゃないかなぁ……と思ったり、思わなかったり」
「……」
あ、無視された。
「……いやまあ、別に良いけどさ」
──ここ最近の、涼奈の態度がおかしい。
彼女の表面的な部分は分かっていても、内面的な部分は全く分からない。
俺、
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