第30話 教師

伽奈は泣き疲れたのか寝てしまったので自宅まで背負ったあと部屋まで送っていった。


今回は伽奈が告白されてから噂が立ち、助けを求めたものの取り合ってくれなかったということだろうか。

犯人は告白してきた奴かもしくは告白してきた奴ら、あとは妬んだ女子だろう。

この後は弱っているところにつけこんであわよくばって所か、あるいは排除かどちらにしてもろくなことじゃない。


「そういう訳で学校何日か休んでいいか?」

『まさか伽奈もイジメにあうなんてね。血かしら?』


血だとしたら今すぐに全ての血を変えてやりたい。


「そう言うふざけは要らないから。母さん的にはどう思う?」

『私?私は告白したやつだと思うけど夕は違うの?』

「俺もそうは思うが告白してきた奴らがとか、妬んだ女子とか。」

『確かになくはないと思うけどそれならもっと早くに噂がたちそうじゃない?』

「そう思うよなぁ。ありがとう。もしまた俺の時みたいになったら頼んでも大丈夫か?」

『全面的に協力するわよ。私の可愛い娘をイジメる奴らはみな地獄行きよ。』

「心強いよ。それじゃ母さんも仕事頑張ってくれ。」


母との通話を切ってソファに寄りかかる。こうも面倒事が続くと疲れるが仕方ないことだろう。


イジメを行った奴は何を思ってやったのか。気を引きたかったのか、気に食わなかったのか。

誰から告白を受けたか分かればある程度推測は立てられるがあくまで推測でしかない。それに今回は俺は違う学校だから動くこともほとんどできない。

考えるほど手詰まり感がすごいがどうにかするしかないだろうととりあえず思考を放棄した。




そして次の日俺は伽奈の通う中学校に来ていた。理由としては噂の確認と相談した教師がどんな奴かの確認にだ。ちなみに伽奈は休ませた。疲れて寝るほど泣いたのだから思った以上に精神的に来てると思ったからだ。


「すいません。受付ってこちらですか?」

「えっ?えぇ...どちら様で?」

「折崎 伽奈の兄の折崎 夕なのですが、なんでも学校で伽奈のよくない噂が広まっているとい事なのでその確認をしに来たんですよ。」


そう言ってにこやかに事務員さんに話しかけるが俺の目は笑っていないだろう。


「そうでしたか。では担任を呼びますので応接間で少々お待ちください。」

「あ、すみませんがそれと新島にいじま先生をお呼びしてもらっていいですか?なんでも伽奈がその先生にも相談したとの事で聞きたいこともあるので。」

「えぇ、分かりました。ではお待ちください。」


そうして10分程がたち伽奈の担任の加藤かとう先生と養護教諭の新島先生がやってきた。


「どうも遅れてすみません。担任の加藤です。」


担任は男だと聞いて知っていた。だが話を聞いたとき俺は新島をだと思っていたがまさか新島が


「どうも養護教諭の新島です。」


女だとは思わなかった。

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