第48話 第一審 結審の日
さてさて、両方の尋問も主張や反論も終わり、あとは「結審」を待つばかりだ。
代理人弁護士から、もし納得のいかない結果だった場合、どうしたいのか?を問われた。
選択肢は二つ。
一審の結果を「そのまま受け止めるか」
次の第二審の地方裁判へ上告するか。
結果を見て見なければ何とも言えないが、
納得のいかない結果であれば、第二審も争いたい意向を伝えた。
弁護士も、ではそのまま代理人として協力します。
なんとも心強い言葉を頂いた。
有難い。
二審は受けません。と言われる可能性もゼロではないのだ。
弁護士も個人事業主であるから、利益やプラスになる物が無ければ「断る」事も出来る。。。
引き続きよろしくお願いします。と伝えた。
さて「結審」だが、よくTVや映画では、
木製のハンマーでドンドン。。。。
「結審を言い渡します・・・主文・・・」
傍聴席ざわざわ・・・
なんてシーンを見るが、民事裁判ではそんなことは行われない。
(前にもブログに書いたが、木製のハンマーは使用されない!)
しかも原告も被告も結審の読み上げの、
その日その場には行かなくてもよいのだ。
いや書き方が悪かった・・・
正しくは、行っても意味が無いから行かないのだ。
基本、結審の読み上げの法廷には、
原告も被告も代理人も傍聴人も誰もいない。
と弁護士から教えて貰った。
当日行っても誰も来ませんから・・・
「え?なんで???」
素人にはよく理解できない事だった。
一応、この裁判には、1から全部参加する。という意向が有ったので、
弁護士は止める事は無かった。
今後の知識や勉強のためにも、めったにない機会なので、
結審の読み上げの日時に裁判所へ行ってみるのも良い経験になると推してくれた。
さて当日、気合と疑問の合間で結審の読み上げの時間となった。
「傍聴します」と一言だけ係員に伝えて傍聴席に座った。
傍聴席にはもちろん入れるが、たしかに誰も読み上げの場には来ない。
さて時間だ・・・裁判官と書記官が入って来た。
私も席を立ち一礼する。
では、結審の言い渡しを行います。
ドキドキ・・・
裁判官が、ただ声を出して結果だけをブツブツ呟く。。。
微妙にきこえねーーー(マイクを使わず口頭)
なぜ?だれも傍聴席には行かないのか?
それは事前に弁護士から知識を与えられていた。
それは読み上げの文章は、
その数日後に各関係者(私に場合は代理人)へ書面として送られてくる。
書面が送られてきて、内容を吟味し、上告するか否かを決めるのだ。
あくまでも読み上げた文章は、伝言である。
それを書面化し関係者に郵送し、届いた日が結審の日なのだ。
ブツブツ裁判官が読み上げている場(その日)には、
上告する。しないの意向は申し出は出来ない。
書面として届いた時点から2週間後が「結審日」なのだ。
その2週間の間に、上告するか、この結果でOKなのか。
検討協議する時間を与えられる。
だから読み上げの場にいても、無駄なのだ。
ブツブツ結審の内容を読み上げる裁判官の言葉を聞くだけで終わる・・・・
(マジでビミョーに聞こえてくる程度。。。)
ちなみに私は、その読み上げの日に傍聴席で結果を聞いたが、
結審の内容は、私の裁判結果だけではない。
その他の事件と一緒に、
10件ほどを裁判番号と内容を一気に読み上げる。
思わず「え?俺の裁判番号って何番だっけ??」と思ってしまった。
「誰の」「どんな事件の」「どんな結審内容か」は教えてくれない。
裁判番号と内容だけを10件ほどを5分位で一気に読み上げる・・・
そういう事か!!と納得した。
読み上げを聞いても、内容については詳しくは語られない。
あとは書面に詳しく書くので、後日ゆっくり読んでください・・・・的な。
これもまた
裁判を毎回参加しないと分からなかった、知り得る事の出来ない事実だった。。。
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