クリームヒルトのレクチャー 其の一
クリームヒルトが、
「蓬莱ステーションに宇宙鉄道があったでしょう、側女のチョーカーをつけていると、フリーパスなのよ」
「それに美子姉様はいわなかったけど、側女のお給料は金貨八枚、年収で約千二百万円程度よ」
「采女さんも少ないけど、確か金貨二枚、年収三百万円はもらえるわ」
「もっとも、十八になるまではプールされて、引き出すには、私たちが所属する事になるハウスの、ハウス・バトラーの許可がいるけど」
「それとは別に、宇宙連絡鉄道内で使用出来るチケットが、采女も側女も毎月一万五千円分もらえるわよ」
「それから……美子姉様の本拠地で、物凄い人工惑星の中の、ドール鹿の園の中に、側女はペンシル住宅を一つもらえるわ……」
「皆は采女だけど、采女でも専用のお部屋はもらえるわよ」
「そうだ、今度の夏休みに案内してあげるわ、でもその前にハウスキーパーのサリー様に、ご挨拶しなければいけないけれど……」
「怖い人なの……」
「怖くはないわ……ものすごく優しい方なのだけど……美子姉様や茜姉様の次に綺麗な方……嫉妬もわかないわよ……」
「でもご奉仕の方法を叩きこまれるわよ……」
「だからその前に、茜姉様に教えていただければと思うの……」
「ねぇ、クリちゃん、チョーカーをつけると、どうなるの?」
「つけている限り死なないわよ、ただ申し出れば外すことは出来るわ、その場合、時が動き出すわ」
「でも一度外したら、どんなことがあっても再びはないの」
「ただ退官した女官とおんなじ扱いになり、アンクレットをいただけるけど、まずその様な方はいないわね」
「私たちの位って、どうなっているの?」
と、ミチちゃんが聞きます。
「上からだと、愛人、次は麗人、次は佳人、夫人、側女となるのよ、ここまでがチョーカー持ちで美子姉様に抱かれた方々、寵妃とも呼ばれているわ」
「ヴィーナス・ネットワークの世界では、敬意を払ってもらえるわよ」
「その下が女孺(にょじゅ)、そして皆の資格の采女と女史、ここまでが寵妃候補生というか、抱かれる予定の方、リング持ちっていわれているのは、説明したでしょう」
「その下に清女、さらに末女と続くわ、最初は末女になって順に上がっていくものなのよ」
「皆はすぐに采女になったのよ、だからやっかみを買わないように注意してね」
「言動は控えめにするのよ、下の位の方に対しても丁寧にね、新人なのは確かなのだから」
「わかったわ、こう見えても私たちも白狐なの、多少は長く生きているから」
「側女以上はチョーカー持ちと呼ばれるけれど、チョーカーには魔力が付加されているの、まずどんなことに対しても持ち主を守るの……」
「なぜかというと、側女の上の位に上がると、それなりのお仕事が待っているの、そのために必要なのよ」
「采女はリング持ちと呼ばれているわ、リングもチョーカーほどではないけど、魔力が付加されているわ」
「もしもの場合でも、九尾ぐらいは簡単に滅することができるわよ」
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