私が宇宙一の色魔です!


「あの……代価って操のことですよね?」

 茜さんが、

「操というより、その生体の全て、身も心もですよ」


「それだけの代価を支払うと、どうなるのですか?」

「美子の加護の傘が、その者を覆うことになるのですよ」


「失礼ですが……その……皆さん……」

「私もクリームヒルトもね、ヴァランティーヌも本人は望んでいるでしょうね」


「姉さん、口が軽いですよ、そこまで喋らなくても!全くもう……」

「そうです、私が宇宙一の色魔の吉川美子です!」

「代価のお話は気にしないで下さい、今回はボランティア、スピンクスの腕試しということです!」


「もし……私を差し出せば……私たちを守ってくれるのですか……」

「イフの話ですね……少なくとも、貴女と貴女の知り合いを守ることになるでしょう……」


「もし……例えば……あの少女たちも一緒に差し出せば……」

「……少なくとも一族、善狐でしょうが、その総意としてですね……善狐の一族に、一つの世界を与えましょう……」


「この世界ではなくて?」

「そう、滅びかけている世界ではなく……」

「……それはいつとお聞きしても?」

「その住人の心がけ次第……しかしいつかは必ず……」


 茜さんが、

「腹のさぐりあいはやめましょう、美子、貴女は関わりたくないでしょう、まじめに受けないことね」

「稲田先生、私たちはこの星に対しては関わりたくない、ただ貴女の一族に対してなら、考えもしましょう」


「くれぐれも言いますが、私たちは関わりたくないのです」

「ここには休暇で来ているのです、だから一年で退散しますよ、これ以上のお話はありません、おかえり下さい」


 こうして吉川姉妹は、稲田真白との話を切り上げたのですが、稲田真白は決意した。

「お電話をお借り出来ませんか?」

「どうぞ」


 稲田先生は電話をかけました。

「私、真白です、確認いたしました……お話をお願いできませんか……」

「吉川美子さま、不躾ですが、電話を代わってくれませんでしょうか」


 美子が代わりました。

「吉川美子ともうします、はい……それはそちらしだいでしょう、私は無理強いは嫌いですし、強要されるのはもっと嫌いです……」


「助ける理由は、私には無いではありませんか……あの三人を……確かに綺麗な娘達ですが……配下の者の犠牲の上に乗るのですか?貴女も差し出す……」

「そこまでの覚悟ですか……分かりました……お会いいたしましょう、来られますか?ではお待ちしています、稲田先生、代わって下さい」


 電話を代わり、稲田先生は打ち合わせをしています。

 そして電話を置くと、

「いまからこちらに宇賀さまと三人の娘がきます、どうぞ、私たちををご収納頂けませんか……」

「そしてお願いです、私たち一族を救って下さい!」

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